追放された聖女ですが、実は国中から愛されすぎてて怖いんですけど!?【ラノベ感想】

2022年12月18日

追放された聖女ですが、実は国中から愛されすぎてて怖いんですけど!?
著:榛名丼
イラスト:くろでこ
出版:アース・スター ルナ

アマゾンのあらすじより

国民総溺愛系ヒロインの
婚約破棄&追放から始まるラブコメストーリー!!!

「イヴリン、お前はもう不要だ。即刻この国から出て行……」
「──いやあああああああああああああっ!」
第一王子との婚約も聖女の地位も義妹にかっさらわれ、追放されてしまったイヴリン。
仕方なく身分を隠し、路地裏で治癒魔法を使ってその日暮らししていたら、助けた年下イケメン貴族からいきなり求婚される。
そして聖女不在となった王都では他の王子や神官たちが大騒ぎ!
実はイヴリンこそ、国中から異常に愛されまくっている、王様より尊い存在だったのだ!

次々と現れる奇人変人たちのせいでなかなか噛み合わない
嫁き遅れ聖女とピュア伯爵のドタバタラブコメディ!!

感想

純度100%のドタバタコメディでした。序盤は天然がはいったスっとぼけ系主人公が、引っかき回しまくる作品かと思ってました。
開幕で聖女を追放されたのに、なぜか国中から愛されている。そして無自覚にタダ同然の報酬で回復魔法を乱発する、あのムーブです。

ところが後半にエウロパ嬢がでてくると、そんなの軽すぎるジャブだったんだって気づかされました。エウロパときたら聖女さましゅきしゅき、興奮して鼻血をふくわ、聖女の匂いをかぐわやりたい放題です。
まるでギャグ作品の世界の住民みたいでした。

アマゾンのあらすじに"次々と現れる奇人変人たち"とあるように、分かりやすくおかしな行動をするキャラだらけです。序盤に出てくる主人公とか彼女を追放するアホ王子とかは、後半になると普通に見えてくるほどでした。
コメディが好きな人向けの作品かなぁと思います。

 

私はコメディも好きなんですけどねぇ……。ちょっとハマらずでした。
作者さんが面白くなるように個性的なキャラを書いたのは良く分かるんです。面白くなるよう真面目に考えたんだと伝わってきます。なんか笑いのために、奇人変人を仕立てたような気になってしまったんです。
狂気みたいな発想のトンデモなさとか、変なキャラとまともなキャラとかの対比での際立たせなんかがあれば、もうちょっとイメージも違うものだったかも……。私の心の中のギヤが1ヤマかみ合わなかった感覚でした。

ストーリーも展開を楽しむと言うより、この世界で大暴れするキャラを楽しむという味付けな気がしています。

 

それはそれとして、くろでこさんのイラストはドタバタコメディな本作にぴったりでしたね。「ガリ勉地味萌え令嬢」でも楽しいイラストを提供されていて、私の好きなイラストレーターの1人です。本作もマンガ的な表現を加えて、笑えて楽しいイラストでした。読み進めていく上で楽しみでしたねぇ。
「王子のアホ」ってのを表したイラストは、最高のインパクトでした。

 

笑える展開の連続みたいなコメディが、好きな人ならイケるんじゃないかと思います。
もし今後、コミカライズされて「笑い」と「間」のテンポが、ポンポンと流れていくようならだいぶ印象も変わりそうです。

 

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