革細工師はかく語りき【ラノベ感想】

2023年1月11日

革細工師はかく語りき 
著:卯堂成隆
イラスト:鈴ノ
出版:マッグガーデンノベルズ
   51r0vipDozL
 

アマゾンのあらすじより

この国の片隅には、住人から悪魔と呼んで恐れられている一人の男がいる……。
極悪革細工師アモリ・クロードの容赦ない新人教育が、
様々な人を巻き込んで次々と恐ろしい災厄を引き起こす!
もう、誰も暴走する彼を止める事はできない!

感想

異世界に召喚させられた元勇者が主人公です。お話自体は魔王を倒した後に仲間と決別して、主人公は趣味の革細工店を営んでいるシーンが舞台になります。元勇者なので超絶能力持ち、でも性格が歪みきってしまったので権力者からも怖がられるという厄介さんが主人公なんです。そこに異世界召喚された少女がやってきて、見習いとのすったもんだの生活がスタートする……と私好みの展開です。革細工への思いも趣味の範囲を超えていて、工業的な下処理の説明もされてます。読んでいてしらない知識をグーグルで調べながら読むのもまた楽しいです。

イラストも美しくて本文内の挿絵も良い具合です。私の好きな要素が多い作品でストーリー展開もキッチリされています。しっかりした作品なんです。ですがちょっと私の好みと合わないとこもあり、いまいちハマりきりませんでした。
その箇所は主人公のクロードの性格が悪すぎるんです。偏屈な師匠と純粋な弟子って対比で考えたら、主人公の性格が悪いのはありだと思います。とはいえヤリ過ぎに感じる場面が多々でした。基本的に発言と行動が上から目線ですし、一回りは下の女の子をただ困らせたりのシーンが多すぎます。そのコメントいるの?と感じるディスりの場面も多く私にはちょっと…でした。

それでも全3章中、革細工店の中での弟子と見習いのシーンになる2章までは、何だかんだで楽しんで読んだ気がします。3章目は学園の話しとなって弟子のシーンがほとんどありません。サイドストーリーを読んでいるような感覚でした。
またこの章ではベッドシーンが2度あります。片方はストーリー上、欠かせないと思いましたが、主人公のシーンはなぜ合ったのかは読みきれませんでした。タイトルとイラストからは想像もつかない場面が出てきていたので、この辺が苦手な方はご注意ください。ベッドシーンが不味かったようで、なろうの掲載は取りやめた状態にもなっています。

主人公の性格と行動を受け入れらるかどうかで、作品の印象が大きく変わるかなと思いました。

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