剣とティアラとハイヒール【ラノベ感想】

2022年7月25日

剣とティアラとハイヒール ~公爵令嬢には英雄の魂が宿る~
著:三上テンセイ
イラスト:小山内
出版:TOブックス

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アマゾンのあらすじより

「俺、かよわい!??」
元英雄(♂)がひ弱な令嬢(♀)に大変身!?
いざ、愛する国を守れ! 騎士道ヒロイック・ファンタジー!

魔物と争い続ける王国の英雄・オルトゥス(♂)は、生涯をかけ国を守る約束を果たせず戦死した。
――はずが目を覚ますと、公爵令嬢・セレティナ(♀)へ転生していた!
可愛らしい美少女でも変わらず、今世も国を護る騎士【ナイト】になろうと決意する。
しかし、病弱な身体な上に、過酷な淑女【レディ】の宿命も立ちはだかる。
恐ろしい鬼母のマナー教育、したくもない男との結婚と難題ばかりで騎士への道は遠ざかっていく……。
その折、王城へ向かう道中、魔物の襲撃で誰も知らない彼女の真の力が明らかになる!
魔族を一刀両断する強さ、社交界でも踊りぬく可憐さで人々を瞬く間に魅了する新ヒロイン誕生――?
見た目は可憐、中身は大胆不敵!

病弱令嬢の騎士道ヒロイック・ファンタジー開幕!

感想

線が細い美少女のイラストで帯には「俺、かよわい!???」なんて書かれるのでTSものかと思わせながら、実はド直球な王道ファンタジーです。主人公は前世の英雄の記憶を持っていますが、女性に生まれた性自体に対して戸惑う描写はほとんど出なかったりします。
 
面白いもっと読んでいきたいと思ったポイントがいくつかあり、1つは非力・ひ弱な肉体に生まれたことです。主人公のセレティナは、元英雄なので知識や技術なんかは超一級です。ただ体力や筋力が全く追いついていないので、頻繁にエネルギー切れを起こして倒れます。また打ち合うと負けるので受け流したり、捌いたりする技巧的な戦闘スタイルをとっています。本当はもっと強いのに制約があって苦戦するのは、盛り上がって面白いですね。肉体が前世に追いついたらどうなるか楽しみです。
また戦闘の描写もスキルやステータスといった数値化をしていないので、懐かしいファンタジー小説のスタイルです。キャラ感の力量差が明確で無いところが、どちらか強いか予想がつかずワクワクします。まさに私が好きなスタイルです!
 
それから主要なキャラの行動や考え方が、あまり画一的でないのも良いですね。記号的な感じの分かりやすさはなくなってしまいますが、巻を重ねたときにキャラ同士の繋がりが深くなりそうで楽しみです。良いキャラそろいで、中でもメリアお母様は私のお気に入りです。理由は後半まで読んで頂ければ伝わるかと。
加えて人形のような美少女のイラストが入った上で、百合百合しい展開もあります。1巻目では主人公が男性に惹かれる様子があまりないので、そっち方面が気になる方にもオススメです。
 
 
人を選ぶかなポイントとして懐かしい感じのファンタジーなので、ここ数年のweb小説に慣れ親しんでいると読みにくいと感じるかもしれません。伏線を張ってその場で説明しないことも多いですし、数値化やスキルといったハッキリとした分かりやすさはありません。そして翻訳調に文語表現や修飾語を重ねる文章でもあります。若干癖もありますが、面白いので最後まで読んでみて欲しいです。
 
最近では少なくなってきた王道ファンタジーっぽいので期待の作品です。TOブックスの良さで1ページあたりのページ分量が多いのも読み応えがあって嬉しいですね。非常に気になる引きで終わっていて、後日2巻目も読みます。
 

2巻目の感想

王国内のシーンと王国外のシーンで、雰囲気がガラっと変わります。序盤の王国シーンでは、1巻目の騒動後の顛末が中心でメリアお母様のシーンは良いですね。恋愛要素もこのあたりに集中しています。主人公が前世にあたる勇者の記憶は過去の体験・知識として受け入れ、公爵令嬢としての自分が今の姿と理解する描写が印象的でした。
 
王国外のシーンが2巻のメインとなっています。様々な強者や魔物との戦闘シーンが登場し、Theファンタジー小説の展開です。主人公が力に目覚め人々を救うあたりは、伝説のはじまりを読んでいるような気分になります。覚醒した主人公の力の源がどこから来ているのか? 非常に続きが楽しみです。
 
 
 

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