灼熱の魔女様の楽しい温泉領地経営 【ラノベ感想】

2023年11月12日

灼熱の魔女様の楽しい温泉領地経営  ~追放された公爵令嬢、災厄級のあたためスキルで世界最強の温泉帝国を築きます
著:海野アロイ
イラスト:切符
出版:アース・スター ルナ

   灼熱の魔女様の楽しい温泉領地経営

アマゾンのあらすじより

湧き上がる爆アツスキルと超効能温泉で最強の領地をつくろう!!

「魔法の使えない娘など追放だ! 」
魔法第一主義のリース王国で、与えられたスキルは物を温めるだけ、魔力もゼロだったため、危険な辺境に追放されてしまった公爵令嬢ユオ。
しかし領主として訪れた辺境の村でユオは不思議なぬるま湯を発見し、試しに入ってみると超気持ちイイ!! しかも奇跡的な効能まで発揮し始めた!!
この「温泉」で世界一豊かな村を築こうと決意するユオ。
さらに彼女のスキルは、敵を瞬時に爆発させ、目から熱線を飛ばすなど実は災厄級の威力で、領民たちから伝説の「灼熱の魔女」と崇められていく……。

無敵スキルとトンデモ効能温泉で、魔力ゼロの元公爵令嬢がかわいい仲間たちと無自覚にのし上がっていく異世界温泉物語!

感想

サキイカスルメさんからオススメを頂いて読みました。
アース・スター ルナが、2022年6月創刊なのでどれを読もうと思ていたところでした。もう即凸です。

領地経営スローライフ、しかもコメディ全開で面白かったです。細かいことなんて気にしないで温泉の癒やしと、ユルいノリを全力で楽しんでねってコメディです。楽しかった。

あらすじの各話タイトルからしてネタだらけでした。例えば以下の感じで数ページ読んだだけこの作品は、コメディですと分かる親切設計です。あらすじ読むだけで即楽しめます。

1章1話目  “魔女様、盗賊相手に熱を出す"
1章2話目  “辺境オブ辺境に赴任するとスローライフどころの騒ぎじゃないと気づく"

 

主人公のユオは、得られたスキルが「ヒーター」、じんわり暖める能力と使えなかったので役立たずと追放される安定の公爵令嬢です。そんなんですから実は、「ヒーター」のスキルが超絶優秀でスキル無双して、追放した実家はザマぁとなる安心の展開です。

ところが安心安定の展開をふっとばす勢いで「ヒーター」が大暴れでの展開です。というのも「ヒーター」の効果が優秀なんです。優秀すぎるんです。
斜め上の効果と勢いで毎話楽しませてくれました。
コメディが強くて無双チート感は、ほとんど感じず読みやすかったです。

スキルを拡大解釈したりこじつけて色んな使い方をするのは、この手のweb作品の魅せ場だと思っています。思ってはいますが、それにしたってこうなるのかいってスキル効果になっています。

 

  • 「ヒーター」だから暖める → わかる
  • 「ヒーター」だから発火させる → まぁわかる
  • 「ヒーター」だから過度の熱で爆発させる → お、おぉう……
  • 「ヒーター」だから目からビーム → どうしてそうなる!?

 

ちなみにこのスキル効果は、【魔女様の発揮した能力として】と作中で説明されています。
そしてスキルを人間に使ったら……も書いてあって、その効果はほぼ「即死」です。相手は死ぬです。
この悪ふざけ満載な能力説明が、とても振り切っていて面白かったです。

 

出てくるキャラも可愛らしい女性が大半です。その上でモフモフ毛玉の聖獣様もいます。
可愛い女の子たちとのスローライフ的な楽しみもありますね。

 

2巻目の感想

ついに騎士団が攻めてきました。そうですとも、みごと無残にユオ様に吹き飛ばされました。気持ちが良いぐらいの瞬殺っぷりでした。そして後に陰謀をたくらんだお貴族様も、やっぱり吹き飛ばされます。
このお貴族様は短絡的で好感度の低い敵役なんですけど、かなりのアホです。普通の作品で出てきたら萎えるぐらい記号化されたアホです。でも本作だとこのお馬鹿さ加減が、ハマリ役です。読者の予想通りの行動をして、フラグをおっ立てて吹っ飛ばされてくれました。それは美しいくらいに。

 

そしてこの巻といえば、新たな住民となったクレイモアさんですよ。彼女は扉絵だと金髪美少女の姿で、重装甲な女騎士です。
ただイラストではどうみても美少女なのに、隠しきれない残念さんオーラをまとっていました。そして予感的中の楽しい困ったちゃんでした。

加えてそれまで常識人だと思っていたリリたんも、実は問題児だってことが判明し……温泉領地の住民たちが非常に混沌として面白かったです。

ドラゴンの能力計算が512倍のところとか、おもわずキン肉マンかっ!と心の中でツッコんでしまいました。このへんは本作らしい勢いの勝利かなと感じます。

 

3巻目の感想

やっぱり楽しい!
疲れた時に読むと楽しくて元気になります。

なんか巻を重ねるごとにギャグのキレが増していませんかね?
章のタイトルからしてコレです。そして各章に20話ぐらいある各話のタイトルも同じノリです。目次からして楽しいんですよ。

第8章
魔女様の冒険者ギルド誘致!
村の近所にダンジョンが見つかり、魔女様は十四日ぶり八回目の大暴れ

第9章
魔女様のやばい薬草流通! ザスーラに蔓延する流行病を阻止します!

こんなノリです。自重する気を感じさせない悪ふざけ感、好きです。
ボケ、ボケ、ボケ、ツッコミなくらいボケが過剰でノッリノリです。うん楽しいです。

 

「薙ぎ払え!」じゃねぇよ!
「どうした、それでもこの世で最も邪悪な聖霊の末裔か!」じゃねぇよ!!
「早すぎたんだ」ってそこまでネタにするのかい!!!!

と定番のネタをしっかりとぶち込んできてます。それでいてネットミームのネタは、ほどほどでやり過ぎてないのも好きなところです。

 

あと3巻目での新キャラになる猫姉妹ママは、負けず劣らずに個性的でしたね。色気ある美魔女ポジかと思ったら、ヒョウ柄の衣類+飴ちゃんとか大阪のおばちゃんポジじゃないですかー。
一段と愉快な顔ぶれとなって、今回もまた面白かったです。

 

4巻目の感想

ついに完結です。

魔女様は手の付けようがないくらい強力ですし、ハンナやクレイモアはすっかり人間を止めた強さになりました。まるで温泉郷という名の人外魔境ですね。

ラストイベントは温泉帝国の独立騒動です。力だけなら魔女様単独でも余裕なところ。
ただ肝心の魔女様本人は独立を狙っていたわけじゃないから、壮大などうしてそうなったが繰り広げられます。今回もまた楽しいです。

魔族はある意味巻き込まれたようなものなのかも。

なにせ山を貫通するような熱線をぶっ放す魔女が相手だもんなぁ。正体知っていたら回れ右でしょうね。
4巻目はバトルシーン多くて楽しいところ多かったんですが、結局は魔女様の壊れた強さが全部もっていった印象です。

 

そして今回もまた魔女様は新たな技を身につけました。その名もエターナルレッドバニッシュサークル、”超高温の熱を平面上にして敵に照射する技。触れるものはすべて熱いと感じるまでもなく蒸発する。” 相手は死ぬ、な即死技です。ついに戦術破壊兵器級の技まで身につけました。このインフレっぷりがたまりません。

 

最後まで明るくおバカなノリで楽しかったです。
ユルくて可愛いコメディを楽しみたい方にオススメの1作です。

 
 
 
 

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