世界の果てのランダム・ウォーカー【ラノベ感想】

2023年1月11日

世界の果てのランダム・ウォーカー 
著:西 条陽
イラスト:細居 美恵子
出版:電撃文庫
   9784048936149
 

アマゾンのあらすじより

深く、広い世界。その全てを知ろうと、天空国家セントラルは各地に調査官を派遣していた。調査官であるヨキとシュカは、多大な個人的興味と、小指の先ほどの職務への忠誠心を胸に、様々な調査をする。これは二人が世界を巡り、人々と出会い、(時々)謎を解き明かす物語である。「――とかいって、なんか凄く良い話みたいだね、ヨキ」「どうでしょうね。僕はシュカ先輩が真面目に仕事をしてくれるなら何でもいいですけど」 凸凹調査官コンビによる、かけがえのない時間をあなたに。

感想

連作短編小説です。1作目を読むとSFファンタジーなのかなぁと思っていたら、ジャンルなんて枠に収まらない作品でした。あらすじにあるセントラルって超大国家が、各地に調査官を派遣して記録しています。この調査ってのが全編通じての共通事項になっています。それ以外の各話毎に訪れる都市・国の文化や歴史なんかは様々です。2巻目以降は侍まで登場するくらいバラエティーに富んでいます。いろんなお話を主役のヨキとシュカの2人が繋いでいる感じです。

そしてヨキ(男性)とシュカ(女性)の2人は、各地の謎や不思議に赴いた現地調査官です。真面目だけど何か頼りなさのあるヨキと、大雑把だけど腕っ節があって頼りになるシュカの凸凹コンビです。好対照の2人がお互いを助けて、すごく良いバディっぷりを感じさせてくれます!
舞台が中華風や和風ちゃんばらだったり、ジャンルが電脳SFになってもヨキとシュカがいるとランダム・ウォーカー の世界になってしまう不思議な味わいがありました。

またあとがきで短編なのでどの巻から読んでもOKとあるように、いきなり2巻目か読んでも楽しめます。とはいえ連作の過去回を参照するシーンもあり、順に読むのをオススメします。なんといってもその方が長く楽しめます。

連作短編として色んなお話を読めて、どれも楽しかったのが嬉しかったですね。電撃だと出版しにくそうなと感じているテーマでも、短編だから読めむことができて大満足です。色んな作品を読んだ気分にひたれて、作者の多才さに驚くばかりです。
あと短編だから許されるラストの描き方ってのも多用されてます。各話の最後がどうなるか読み切るまで想像がつかなくて、最後までどうなるんだろう?と面白さが続きました。まとまった読書時間が取れないときでも、短編は読みやすくて良いですよ。

そうそう全3冊のシリーズですが、どの順番で読めば良いか分かりにくいとこもあります。次の順番で読むと刊行順となります。

●世界の果てのランダム・ウォーカー
●世界を愛するランダム・ウォーカー
●天地の狭間のランダム・ウォーカー
 
 
 
 
 

 

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Posted by kyoikyoi