流転の貴妃【ライト文芸感想】

2022年7月31日

流転の貴妃 或いは塞外の女王
著:喜咲 冬子
イラスト:巖本 英利
出版:集英社オレンジ文庫
  51J1g+hDC8L._SX347_BO1,204,203,200_

アマゾンのあらすじより

「馬の練習をしよう。貴女は、三歳の子供より下手だ」。
商人の娘として生まれ、後宮の貴妃になったはずの柴紅玉の人生は、突然先行きが見えないものとなってしまった。
勢力を拡大しつつある北方の遊牧民族の盟主へと嫁がされることとなったのだ。“狄”と呼ばれ、中原の民に見下される異民族の新王への贈りものとして。
しかし紅玉を待ち受けていたのは、嫁ぎ先の部族と敵対する者たちによる襲撃だった。
皇帝からの新書も金印も失い、身ひとつの戦利品として囚われた紅玉は、族長の末子であるアマルという少年の妻となるように言われてしまい……?
運命に翻弄されるだけだった紅玉が、勇気と才覚ですべてを掴み取る中華風浪漫譚!

感想

周囲の事情で遊牧民へ嫁がされ、さらわれても嫁がされと自分で自分の人生を決められない中で、手が届く範囲で自分の生きる道を切り開いていく物語です。主人公の紅玉が商家出身の特技を活かそうと、商売をやってみたり対外対応に腕を振るったりと強い女性主人公な作品です。しかも主人公はぽっちゃりで容姿は際だっていないんですよ。見た目じゃなくて中身だよってのも良いなと思ったところです。

 

本作は中華風ファンタジーかつ遊牧民系の世界観が半々の感覚です。紅玉が嫁いだ先がリアル世界でいうと韃靼っぽいのか、モンゴルっぽいのか、キプチャク・ハンっぽいのか妄想しながら読んでました。文化・風俗面の描写が濃いので脳内でシーンのイメージを想像するのも楽しかったです。

 

あとは妻になれと言われたアマルと紅玉の関係性ですね。最初はさらわれてきたって力関係的が見え見えだったのが、次第にかわっていく様子を追いかけていくのが楽しいです。個人的にはアマルの忍耐力と紅玉への理解の深さを感じました。愛が深いです。

 
骨太の作品を堪能いたしました。
乙嫁語り 1巻 (HARTA COMIX)
森 薫
KADOKAWA
2012-09-01
 
 
 
 

レーベルの感想も読んでみる

集英社オレンジ文庫の感想