【ラノベ感想】桜田家のヒミツ ~お父さんは下っぱ戦闘員~ 柏葉 空十郎 電撃文庫

2022年3月8日

桜田家のヒミツ ~お父さんは下っぱ戦闘員~
著:柏葉 空十郎
イラスト:りょーちも
出版:電撃文庫
   9784048670920
アマゾンのあらすじより
桜田源之助、42歳の男厄年。 一家の大黒柱である。 職業は秘密結社の下っぱ戦闘員。 日夜黒タイツに身を包んで、一生懸命働いている。 サラリーマンは辛いのだ。
家族構成は妻の芙美枝に小学5年生の息子・源太郎。 今時珍しい、頑固オヤジだったりする。 そんな源之助の一家に新しい一員が加わる。 世界有数の資産家、真木家の一人娘・麗華。 その理由とは── 秘密結社が誘拐した彼女を預からされるという身も蓋もないものであって……。 微妙な年齢の少年・少女が一つ屋根の下で暮らせば色々ある。 しかもこの少女、顔はかわいいがとんでもない子で桜田家に嵐を呼び込むことになり!?

現代をベースにしたコメディ色の強い作品です。桜田家の大黒柱は悪の組織の下っぱ戦闘員です。組織が用意した純昭和な社宅で暮らす一家のハートフルストーリーです。たぶん。
ALWAYS 三丁目の夕日をイメージするような人情味あふれた昭和の団らんを感じる作風です。その反面、大黒柱の源太郎は生活のために悪の秘密結社に入って、夜勤ありの不規則勤務に向かう日々だったり、幸せだけどぬぐい切れない貧しさなど世間の世知辛さもあわせ持った作品です。そうした一市民の家庭に誘拐してきた金持ちのわがまま娘がやってきて、同居生活がスタートしていく物語です。生活を通じて桜田家の面々とわがまま娘が変化していくさまが面白かったです。あえてヒーローの側でなく悪の秘密結社側ってのも面白い一面です。

ホロリとくる人情ストーリーが展開していきラストでは、ラノベらしい怒涛の展開が繰り広げられます。単刊でいい具合にまとまっているかなと感じました。ベースがほのぼの風味なので『吉永さん家のガーゴイル』とか『若おかみは小学生!』が好きな方には気にいってもらえる雰囲気じゃないかなと思います。
また昭和感が強いため昨今のジェンダーフリーとは正反対のノリです。「女の子は大切にしろ!」「大人のいうことは黙ってきけ!」と昭和頑固おやじの勢いでゲンコツが飛びます。桜田家の一人息子、源太郎には理不尽が相当ふってくるんです。彼の視点で読んでいくとキツい展開に見えちゃうかもしれません。最近だとあんまりない展開ですね。

テーマ自体も令和ではそんなに見かけませんし、今になって読みましたが新鮮で面白かったです。

電撃文庫

Posted by kyoikyoi