死にゆく騎士と、ただしい世界の壊しかた【ラノベ感想】

2022年11月13日

死にゆく騎士と、ただしい世界の壊しかた
著:涼暮 皐
イラスト:雫綺一生
出版:KADOKAWA NOVEL 0

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アマゾンのあらすじより

この腐った世界を壊すために、俺は少女を騙すことにした。
救世の騎士、ラミ・シーカヴィルタ。最愛の女性を目の前で喪い、彼女の命と引き替えに生き延びて「しまった」男。
かつて共に世界を救った少女・エイネと同じ「神子」の資格を持つキトリー・シリーと出会った彼は、神子でありながらその力を発揮出来ないキトリーの師匠として、再び彼女と旅に出る。
常に明るく、世界を救うことを信じて疑わないキトリーを、時に優しく、時に厳しく、先輩として導くラミ。
しかし、ラミは知っている。真に世界を救うには――キトリーの為す「救星」をこの手で阻止せねばならないことを。
これは、一人の死に損ないが、真に英雄となるための物語。

感想

同時刊行された『滅びゆく世界と、間違えた彼女の救いかた』同じ世界観、共通するキャラクターが登場する作品です。どちらから読んでも大丈夫なようになっていて、読む順番によって視点が変わって作品の印象が変わる意欲作です。
このような仕掛けを考えることはあっても、実際に刊行された作品というのは、非常に珍しいのではないでしょうか。
 
物語のナンバリングとしては、次の順番です。
0.『滅びゆく世界と、間違えた彼女の救いかた』⇒ 1.『死にゆく騎士と、ただしい世界の壊しかた』
私は1.の方から先に読みました。どちらから読んでも、その巻で核心となり盛り上がるところは分からないように書かれています。そしてもう片方を読んでいると分かるところは、基本的にオープンにして無理に隠そうとはしていません。そのため読んでいて違和感を感じない文章になっています。書き上げるまでに相当な苦労があっただろうとうかがえます。
 
この巻は、「救世の騎士、ラミ・シーカヴィルタ」と「神子キトリー・シリー」の物語です。
世界最強の騎士であるラミが、理論よりも感性で動くキトリーを保護者のように教え育てながら、世界を救う旅を続けていきます。キトリーは神子らしさはあまりなく、ラミにウザがらみをしてみたり野生児的な戦闘をしてみたりと、元気に明るく動き回ります。そのおかげでもの悲しいエピソードがあっても、そこまで重い雰囲気ならずに読み進められます。
 
またこの物語での大きな要素として、命数を用いて魔法のような効果を模しています。
命数とは生まれながらに上限が決まっていて、その人の可能性のようなモノです。世界に大きな影響を与える人だと大きかったりします。いわゆるMPの上限値です。
そして命数を用いて、魔法のような能力を模します。面白いところとして、命数が少なくなると命運/運命が少なくなった状態となってしまい、命数MAXでは運命が守ってくれる!的な状態であったのが、命運尽きて些細なことで命を落としやすくなってしまうことです。この仕組みが命数を消費してのバトルに深みを与えてくれています。
 
そんな意欲的な要素が多数盛り込まれた作品です。怒濤のラストでの展開とそこから繋がる、今後の展開と『滅びゆく世界と、間違えた彼女の救いかた』への繋がりを、是非読んで感じてみてください。きっと続編を読みたくなると思いますよ。
 
 
 

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