【ライト文芸感想】女衒屋グエン 日向夏 星海社

2022年3月12日

女衒屋グエン
著:日向夏
イラスト:鈴木健也
出版:星海社FICTIONS

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アマゾンのあらすじより
今宵も妓館・『太白楼(たいはくろう)』は眠らない。とある花街のとある一角、遊女たちは春をひさいで生きていた。
生娘のまま女盛りを過ぎてしまった静蕾(ジンレイ)、勝ち気で反抗的な万姫(ワンジェン)、別れた男に囚われ続ける思思(スースー)……。そして西施(シーシー)、この世界を統べるうつくしい主。冴えない女買いの男・虞淵(グエン)と下働きの醜い少女・翡(フェイ)を従える彼女もまた、大きな秘密を抱えていた。そんなある日、都から届いた一通の文が妓館の運命を揺るがしていく。偽りだらけのこの街で、本当の幸せとはいったい何か?遥か古都の遊郭を舞台に綴られる、儚い色里模様の幕が上がる。『薬屋のひとりごと』日向夏
×『おしえて! ギャル子ちゃん』鈴木健也が描く、新たな中華小説の誕生!
鈴木さんのイラスト目当てで買いました。完全にノーマークでした。
生き生きとしたキャラクターが織りなす、物語の情景を思い浮かべながら、ゆっくりと堪能できる良書でした。
 
各章は遊郭に生きた女性のエピソードになっています。そのエピソードの登場人物が、前後の章にかかわっており、読んでいくと自然と人間関係や遊郭の歴史が頭に入ってきます。読み慣れない中国式の名前の登場人物が多く、把握できるか心配しましたが、それは杞憂でした。キャラがたっています。
またイラストも秀逸で、イラストにそれぞれ誰かは書かれていません。それでも読んでいるとキャラのイメージから、このイラストなんだなと分かってきます。
中盤ぐらいでキャラのイメージを把握し、ラストで静かに盛り上がっていく面白さです。
 
最近のラノベに比べると文章は、文芸よりで難しめかなと思います。形容詞を重ねて文量を増やしての描写説明や、ハッキリとした視点切り替えで内面描写なんてありません。あえて説明しすぎないことで、読者に想像の余地を提供しているのでは?、と感じました。
知らない単語や花街の文化が当たり前に出てくるので、最初は調べないと分からないところもあります。でもそれを過ぎると絵が思い浮かべられるようになってきます。小説の良さを感じさせてくれます。
 
読むときは時間をかけて、ドップリと物語の世界に浸かって読むのをオススメします。
女衒屋グエン (星海社FICTIONS)
日向 夏
講談社
2018-09-20