商社マンの異世界サバイバル【ラノベ感想】
商社マンの異世界サバイバル ~絶対人とはつるまねえ~
著:餡乃雲
イラスト: 布施 龍太
出版:ドラゴンノベルス
アマゾンのあらすじより
宝くじに当選して脱サラした元商社マンの奥田圭吾。
北海道の人里離れた地に移住して悠悠自適な独身農家に――と思いきや突然鶏小屋ごと異世界転移!?
それでも初志貫徹とばかりに言葉も通じない世界で自給自足の生活を始める圭吾だったが――。異世界だろうが“元商社マン”のスキルは伊達じゃない!?人間嫌いアラフォーのソロ異世界隠遁ライフ開始!
感想
いきなり異世界へ飛ばされて、おっかなびっくりな自給自足感が強く出ていて面白かったです。都合良くスキルが栄えてくるチートっぽいのはありますが、戦闘面ではからっきしであえて弱いキャラになっているのが良かったです。悠々自適な田舎暮らしをしていて、たまたま家庭菜園の知識と農具なんかを持っているので町から離れて暮らせてますが、モンスターが出たら逃げ隠れて閉じこもるしかないですよねぇ。なるほどな異世界生活です。
モンスターには勝てないので逃げたり、懸賞金を積んで冒険者に退治してもらったりとか、異世界で言葉が通じないので身振り手ぶりで意思疎通を図ったりと、不便さが読んでいての楽しさに繋がっています。不便さを徐々に改善していくのをスローライフで読みたかったんですよ。
そして人間関係のリセット癖がある主人公は、タイトルどおり絶対人とはつるまねぇの通り数人としか交流をしません。登場人物が少ないので込み入った話はなくて、ソロ暮らしが話しの中心に楽しめます。
文章構成はかなり特徴的で日記形式になっています。淡々と何をして何を食べた、そして美味かったで締められることがおおくて癖になる文章です。だんだんを生活環境や食生活の様子が向上していくのが描かれています。ジビエ推しが凄い日記なので、酒飲みならおもわずレバーで一杯やりたくなるかも。
あとweb投稿時の形を尊重したのか、1話1話が短いです。2ページぐらいで1話になっているのもあります。テンポは非常に良いです。
ただそれが良いと思えないところもあり、その短さで視点を変えて「私は○○……」と主人公視点で書いた内容をもう一度なぞるんですよね。わざわざ説明してもらわなくても分かりますよ、な内容について一人称を変えて並べています。集中力を欠くだけの別視点挿入になっているので、その描写はイケていませんでした。
2巻目の感想
スローライフの空気感が私好みだったので、2巻目も続けて読みました。
だんだんと主人公のレベルや戦闘系スキルが上がってきて、ソロでモンスターが狩れるようになっていきます。基本はモンスターを狩って食して、美味いといって飲む生活です。それでもスキルの効果があって巻き起こる話しが、段々と大きくなってます。モンスターから逃げ惑うシーンが少なくなり、よく見る異世界作品に近づいていってしまって個人的には寂しかったです。
2巻の大イベントとして主人公の人生を左右する異性との出会いがあります。これまで人との接触を避けてきた主人公が異性に接するわけなので、どんな付き合い方をしていくのか、心情が変わっていくのは読みどころだと思います。
私の印象的には、メインヒロインにあたるキャラのお人形感が、ちょっと強すぎるかなぁというところです。なろうやカクヨムの作品では定番の主人公を盲進するような感じの関係性です。意見や価値観の相違を乗り越えるようなシーンを期待しちゃいましたが、2巻ではそういうシーンがありませんでした。
1巻目は私の好みにストライクだったんですけど、ページを重ねて1巻目に感じた個性が薄れていって、定番の展開に埋もれていっているような感じです。3巻目はどうしよう…。
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