転生佳人伝【ライト文芸感想】

2023年1月11日

転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う
著:三川みり
イラスト:原田郁麻
出版:角川文庫
9784041109670

アマゾンのあらすじより

大陸の東半分を占める大帝国・尤(ゆう)。建国の祖・陶淵紫は紫がかった瞳をもつ美丈夫だったが、暗殺され非業の死を遂げる。
寵姫・劉昭儀は来世で淵紫に巡り会い、彼を護る力を得るため、神仙に自らの命を供物として捧げた。
――それから二百年後、尤の都・賀陽。
秘書省少監の一人娘・白花珠は、女ながら剣技に秀で、軍人として活躍している。
実は彼女は劉昭儀の生まれ変わり。前世の記憶を持ち、物心ついた頃から淵紫の姿を探し求めていた。
ある日、式典の警護に立った花珠は、若き皇帝・陶紫英を目にする。忘れ得ぬ愛しい人・淵紫と同じ、紫がかった彼の瞳に運命を感じる花珠。
式典の途中、何者かが紫英に矢を射かける! 彼女は身を挺してこれを守り、皇太后に能力を買われて皇帝の警護係として仕えることに。
しかし、宮廷内には彼の存在を疎む家臣たちがいるのか、紫英は頻繁に命を狙われ――。
陰謀渦巻く宮廷で、花珠は無事に皇帝を守り通すことができるのか? ロマンあふれる傑作中華ファンタジー!

感想

前世で思いを通わせていた2人が刻を超えて巡りあう中華転生ファンタジーです。転生が認識されている世界観で「轉世人」と主人公達は呼ばれます。前世の何らかの特徴を持ち、記憶は持っていたりいなかったりと個人差があるようです。
そこで前世では寵姫であった主人公が、200年後の国で剣技に秀でた女性として転生して自らの手で思い人を護る大変に燃える展開です。宮中の陰謀に巻き込まれたり、思い人とのスレ違いがあったりとハラハラドキドキが止まりません。ページ分量が300ページとほどよいので一息に読み切ってしまいました。

転生が認知されている世界観ってところが特に面白かったです。色んな思いが連鎖するわけですし、たしかに良いことばかりではないでしょうね。それから転生だった場合、人格が当人のものなのか、転生の人格なのか、アイデンティティーの問題もやっぱり持ち上がります。転生の要素がたっぷり生かされていて面白かったです。

くわえて中華要素も濃密です。私が馴染みない中華王宮の単語がたくさん出てきて、ちょくちょくググりながら読みました。そのおかげでまた中華作品を読むときにより楽しめそうです。面白い作品でした。

 
 
 

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Posted by kyoikyoi