激闘!異世界警察24時最前線スペシャル! 【ラノベ感想】

激闘!異世界警察24時最前線スペシャル!
著:片栗粉
イラスト:内河
出版:マッグガーデンノベルズ

  police24hours

アマゾンのあらすじより

これは、境界の治安を守る警察官達の奮闘の記録である―! ある日、I県とC県の県境に異世界の大陸が地震と共に出現した。ゴブリンは畑を荒らし、ドラゴンは空を飛び、異種族が不法入国してくるわの大騒ぎでI県警は大パニック。そんなこんなで県警だけでは対処しきれないと、政府が対応に乗り出した。種族雇用均等法。正規の移民手続きを経て戸籍を獲得した者は種族問わず日本国で仕事ができる。それは、警察官も例外ではなく、異種族相手に少ない人員で対応できないと、I県警は種族にかかわらず警察職員の採用を開始。今日も異世界との境にある境島警察署の警察官達は、不法就労の異世界人達を強制送還し、自称勇者や騎士を職質するのだった!

感想

エルフや獣人がいる異世界の国がまるごと日本に転移して、その国は日本の特区となった世界のお話です。おもいっきり警察24時をやっていて面白かったです。

 

異世界とタイトルにありますが、異世界の住民がやってきた体なので純日本な世界観です。作中では警察・学校・コンビニなど日本の日常風景が、描かれています。
ただ違うのは特区にはエルフや獣人、もと貴族の王子様がいたりするところです。
それがだから口絵1枚目では、警察官が騎士をつかまえて「だからといって一次停止無視はダメですねー。騎馬はね、軽車両だから。あとちゃんとした身分証あります?」と、交通違反切符を切ろうとしているんですよ。

ワーウルフやリザードマンの警察官も、ごく普通にお巡りさんをやっていますし、現代日本とのギャップ感がまず面白いです。

 

私が本作で特に推したいのは、ガチな警察24時になっていることです。

 

交番勤務で窃盗から迷子捜しまで、様々なトラブルが発生します。ある時はさすまたを手に犯人を捕まえたたかと思ったら、あるときは市民からの立ち会い要請に呼び出され、あるときは小学生への交通安全指導に駆り出されます。本当に何でも屋さんです。

加えて当直明けに事件が起きて帰れなくなるあたりとか、やたらと事務書類が多いあたりとか、非警察官には理解しがたい謎風習があるのも描かれています。こういう本当の警察24時を見ているみたいな気分を味わせてくれるリアリティラインがすごかったです。
まあそれもそのはずで著者さんは、警察の行政職として勤務した経験があったそうです。どおりで。

 

全15話構成でいろんな警察署内のイベントや事件がおきる、短編をつみかさねていく流れです。

お話はバラエティーに飛んでいます。交通安全指導に奔走するお話とか、JA勤めの元王妃さまのお話といったハートフルなものから、特殊詐欺や違法風俗にかかわる社会派なお話もあります。毎話ちがった楽しさがあり面白かったです。
リッチの五百蔵さんと少女のお話は、よかったねえという感覚と、よかったのかなあの感覚が入り交じった読後感で好きなお話です。

 

個性がすごく光る作品でオススメします。

 

 

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