(株)SMサービス【ラノベ感想】
(株)SMサービス 斬れない剣士・海東雷士郎の護衛メイド派遣業
著:舞阪 洸
イラスト:みかわや
出版:KADOKAWA NOVEL 0
アマゾンのあらすじより
国家試験に受かれば「武士」の資格を得て帯刀できる現代日本。
剣の才を持ちながら、血が怖いという欠点を抱える主人公・海東雷士郎は、病床に伏した父の代わりに、家業の護衛会社の社長として美人剣士4人と働くことになった。
しかし、信用が物を言う護衛業界で新参の若社長では相手にされない。どうしたものか、と頭を悩ませる社員達の前で雷士郎が提案した起死回生の一手は……全員メイド服で仕事をすること!?
感想
上記のあらすじで本作のストーリーを概ね説明しきってしまっています。
メイド服を着た美女が剣劇を繰り広げて、バッタバッタと相手を切り倒すという深夜映画でやっていそうな中身を小説にしたてています。
同時期のノベルゼロ作品がなんというか凄かったので、本作もメイドのお色気売りなんだろうなと期待せずに読んだところ「起承転結」がしっかりしていて、自然な導入、適度な省略としっかりとした小説でした。現代で帯刀できて正当防衛で切っても許されるトンデモは、冒頭でこういう世界ですと強引に説明しておきながらストーリーのキモとなるメイド剣士のところは、零細企業で生き残るために苦肉の策で…とじっくり読者に説明してくれます。読んでいてストーリーが違和感なく頭に入ってきました。
剣劇シーンも凝っており、一撃必殺の殺陣です。斬撃が1回入るとほぼ無力化で、戦力外か次の1撃でトドメと戦闘シーンの殺意が高いです。バトル描写は他であまり見かけないパターンで新鮮でした。
ちなみにメイド成分は、ほぼありません。客寄せと話題作りのためにメイドの格好をしているだけです。そういうのは現代的で非常にリアルと言えばリアルですが、メイドに期待して読もうとされた場合は要注意です。
300ページ未満でキッチリまとめられているので、どうしても、もう少し読みたいと感じる箇所がでてきます。もうすこしページ数を分けてあげて欲しかったです。これだけ書ける作者ですので、他作品も気になります。
Visited 19 times, 1 visit(s) today
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません