ヒュプノスゲーム【ラノベ感想】
ヒュプノスゲーム
著:鰤/牙
イラスト:AKIRA
出版:カドカワBOOKS
アマゾンのあらすじより
人の魂に巣くう夢魔を祓うは、不良エクソシストと毒舌美女の使い魔!
夢魔――人の心に取り憑いて夢を見せ、その魂を食らう存在。そんな夢魔に対抗するための組織・ヒュプノスに所属するエクソシストの凌ノ井鷹哉は、<悪食>という名の女性型夢魔を相棒にある事件に挑むのだが……!?
感想
埋もれてしまった良作です。これは面白いです!
「ラノベ市場だとじゃっかん下火の現代異能」で「くたびれたおっさんが主人公」と意欲的すぎるラノベです。作者は鰤/牙さん、ノベルゼロで読んだ作品が面白かったので著作を色々と手を出してみました。本作もノベルゼロレーベルで出せるんでは?と感じるほど、おっさんが主人公で活躍する作品です。
夢魔に取り憑かれた人の夢の中に入り、夢魔をエクソシストとして退治する異能ものです。そしてエクソシストは、夢魔と契約した特別な人間です。現代物として破綻しないように体制などの味付けをしつつ、夢の中のバトルでは派手であったり、説得シーンをいれたりとメリハリが効いています。
300ページ弱のボリュームでシーン切り替えが多く、登場人物も意外と多いのです。それでも読んでいる謎が1つクリアされると、また小さな謎が出て気持ちよいテンポで読み進めていけます。物語に引き込むのが上手だと感じます。くわえて登場するエクソシストたちも尖っていて、少ないシーンでも印象に残ります。調査が得意なエクソシストの病本千羽朗なんて、いい味だしています。
ラストはキッチリと小さな謎を追いかけつつ、物語を通してずっと出ていた謎に迫ります。勘のいい読者ならラストの謎も薄々と気づいてしまうかもしれません。そうなると余計にラストでどうまとめるのかが気になるところだったりしてしまいます。
若干ネタバレかもですが、非常に書くには勇気がいるだろうラストになっています。
良いラノベなので、是非ともいちど読んでみてください。
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