初歩魔法しか使わない謎の老魔法使いが旅をする【ラノベ感想】

初歩魔法しか使わない謎の老魔法使いが旅をする
著:やまだ のぼる
イラスト:にじまあるく
出版:MFブックス

  初歩魔法しか使わない謎の老魔法使いが旅をする

アマゾンのあらすじより

謎の老魔法使いが、かっこよすぎる!

冒険者パーティ“燃える魂”に、魔法使いの欠員が出る。彼らが臨時メンバーを探しにギルドを訪れ、唯一契約可能な冒険者として紹介されたのは、飄々として妙に雰囲気のある、けれど手頃な契約金の老魔法使い、ヘルートだった!
彼を仲間に加えたパーティは、ダンジョンに潜る。ヘルートは、血気盛んなメンバーたちに的確な助言をしながらも、なぜか戦いでは初歩魔法しか使わない。身のこなしは魔法使い離れしており、そしてローブの袖には、永久氷壁の欠片。パーティが窮地に陥り悲壮感が漂う中、ヘルートは緊張感のない声で言う――面白くなってきましたな。
この老魔法使いは何者なのか? そして彼の旅の目的は? 霧の村、天災級の魔物、そして過去の英雄……ヘルートの秘密と、彼の旅の物語!

感想

なんとも珍しいお爺ちゃんが主人公です。
タイトル通りでこんな杖とローブの姿で、語尾が「~じゃ」のお爺ちゃん魔法使いです。そりゃあどうみたって強キャラポジションにきまってますよね。

実際に大活躍できる強キャラではあるんですが……魔法を使わせるとからっきしなんです。初級魔法をなんとか発動できるぐらいで、ファイヤーボールやテレポートみたいな実践的な魔法は一切使えません。

じゃあ何で大活躍するかというと一つは知識と立ち回りです。モンスターの弱点や修正から適切な対処法をパーティーメンバーにアドバイスし、自然と最適な位置取りをしたり、待ち伏せを看破したりとベテランの立ち回りをします。若者にたいして人生の先人として含蓄がある言葉をかけたりもします。
だからこそギリギリまでお爺ちゃんは高レベル魔法使いだと、周囲の人は勘違いしちゃうんですよね……

そして大活躍のもう1つの要素は物理です。実はお爺ちゃんはステゴロ最強だったんです。拳一つで魔法を吹っ飛ばせます。
しかも物理モードになると語尾が「~じゃ」から「~だろ」と急に江戸っ子みたいな、べらんめえ口調にかわって雰囲気が一新されるんです。

このギャップがかっこよすぎました。やるときはやる爺です。

 

読者もきっとパーティメンバー同様にこのお爺ちゃんの正体は??と気になってしまうじゃないかと思います。
そんな主人公が強い理由は作品後半で段々と明らかになります。身体能力があそこまで突き抜けていたのって、そういうことだったんですよ。

 

財宝や地位名声では動かず、困っている人に手を差し伸べるかっこいいお爺ちゃんの旅物語です。面白いですよ。

 

 

レーベルの感想も読んでみる

 

MFブックスの感想

 

Visited 25 times, 1 visit(s) today

MFブックス

Posted by kyoikyoi