ひきこまり吸血姫の悶々 【ラノベ感想】

2023年1月10日

ひきこまり吸血姫の悶々
著:小林 湖底
イラスト:りいちゅ
出版:GA文庫

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アマゾンのあらすじより

「たとえ世界がひっくり返っても私は引きこもる!!!」
第11回GA文庫大賞《優秀賞》
自己評価↓最低 他者評価↑最高 ダメダメ美少女が大勝利!

「……ふぇ? な、なに?」
引きこもりの少女テラコマリこと「コマリ」が目覚めると、
なんと帝国の将軍に大抜擢されていた!
しかもコマリが率いるのは、下克上が横行する血なまぐさい荒くれ部隊。
名門吸血鬼の家系に生まれながら、血が嫌いなせいで
「運動神経ダメ」
「背が小さい」
「魔法が使えない」
と三拍子そろったコマリ。
途方に暮れる彼女に、腹心(となってくれるはず)のメイドのヴィルが言った。
「お任せください。必ずや部下どもを勘違いさせてみせましょう!」
はったりと幸運を頼りに快進撃するコマリの姿を描いたコミカルファンタジー!
引きこもりだけど、コマリは「やればできる子」!?

感想

アマゾンの紹介がキャッチーなイラスト込みでとても分かりやすいです。まず気になった方はそれを見てみてください。そしてより気になったなら是非読んでみてください。期待以上の中身になると思いますよ!
 
能力も無いのに将軍に大抜擢。真実が知れると命の危機なので、ウソとハッタリで乗り切って……というコメディ要素が非常に強いです。公式からしてその路線売りっぽいですね。コメディーを生かして文中にツッコミがあったり、章の区切りとのところにわざわざ「ちょっとさかのぼる」と書くなど軽めで読みやすい文体になっています。2巻目、3巻目なんて380ページぐらい分量ありながら勢いよく読めてしまいました。
 
必死になって弱いのがバレないよう、ギリギリの綱渡りをする主人公のコマリンが愛らしいです。腹心のメイドや皇帝は真実を知っているので、コマリンはきっちりイジられます。もう主人公なんてカンケーないくらいに徹底的にイジられます。そこらはノリの良いギャグマンガみたいですよ。
 
ただコメディ+美少女だけで無いのが、本作のとても面白くてオススメしたくなるところです。弱々のコマリンなのに、困っている人や傷ついている人がいると強敵に立ち向かっちゃうんです。引きこもりたいとかいうくせに、放っておけないコマリン可愛い応援したい!
ファンタジー小説では外せない強敵に立ち向かうシーンが各巻ともはいっています。シリアスなところはしっかり締めて魅せてくれます。ファンタジー小説好きならコメディもシリアスも楽しめて、1冊で二度美味しい作品になっていると思います。
またくだけた文章の雰囲気ですが、ストーリー展開は相当しっかりしてます。シレっとさりげない感じで伏線を張ってます。なんでそうなった?の違和感を感じさせずストーリーに集中させてくれます。意外とそういうコメディ作品って私は出会わなかったので、とても読みやすかったです。
 

2巻目の感想

2巻目ではまさかの「七紅天闘争」が開催です。まぁなんというかちょっと派手な天下一武闘界みたいなのです。物語の仕様上、簡単には真実の死を迎えないので、それを良いことに時にドラマチックに、時に笑いをかっさらう勢いで命を散らします。1巻以上にコメディとシリアスのギャップが強くなった気がします。また2巻ではコマリンを慕うサクナが登場します。彼女はとってもいいこです。ただ先にネタバレしておくと周囲の大人が脳筋とか引きこもりだったので、ついに出た常識人っぽく見えるだけで、彼女もやべー奴です。まともなキャラはいない(いても出番がない)と思ってください。
 

3巻目の感想

3巻目では1巻目と2巻目でコマリンたちが巻き込まれた陰謀に火がついて、やっぱり酷いことが起きます。どんどん驚きが凄くなる展開です。コマリンの秘密も徐々に分かるようになり、新キャラもグッと増えてきて、今後の展開が待ち遠しくなります。
そして案の定まともなキャラはいません。とにかく今回も賑やかです。
 

4巻目の感想

4巻目の舞台は天照楽土です。3巻目で繋がりをもったアマツ・カルラの国に結果的に殴り込み状態です。
最強なのにあいかわらずコマリンはチョロいですし、戦闘を恐れてビビりです。シリアスな展開の要所要所にコミカル要素も変わらずで楽しいです。400ページの長編も一気読みでした。
これまでの展開でキャラの個性が際立ってきたような気がします。安心の掛け合いが嬉しいです。そういう訳でヨハンくんは、やっぱり今回も不運でした。
 

5巻目の感想

5巻目は宗教勢力を巻き込んでの大げんかです。未読の方へのネタバレを避けると具体的なことはほぼ書けないんで、これまで以上にふんわりとした感想です。コマリン=チョロ可愛い、あとこれまでで最強の敵が登場しバトルはすっごく盛り上がります。仲間と協力してコマリンが立ち向かうシーンは、今回もバッチリです。すこし変化を感じるのは、コマリンに周囲の期待を背負ってやる気が出てくるあたりですね。これまでは「自己評価↓最低」だったのが次はどうなるのか楽しみです。
あとネタバレを少し。百合スキーなみなさん、5巻目は期待して良いですよ。「あらぁ~」シーンきます。5巻の表紙イラストが最高な伏線と感じました。
 

6巻目の感想

 6巻目は本作おなじみの温泉回があります。いつも以上なコマリンの取り合いシーンは良いものですね。
それからムルナイト陣営に新キャラ登場です。貴重な常識人枠なのでコマリン配下の問題児連中に対して、シーンを乗っ取られないかの奮闘が楽しかったです。コマリンも1巻の頃に比べるとだいぶたくましくなりました。(当社比)
 

7巻目の感想

7巻目も読みました。ついに結婚回ですか。だいぶお話も進んだなぁと感じてしまいました。コマリンの結婚となるとサクナまでヴィルみたくぶっ壊れてくるんですね。とても新鮮な風景でした。
そして6巻で新加入した常識キャラは、早々に大活躍でやっと正式なツッコミ役が仕事し始めました。ながらくケルベロさん、孤軍奮闘お疲れ様でした。
中華風味な夭仙郷を舞台とした今回です。次はどんな世界が待っているのでしょうね。楽しみです。
コミカライズされると相性が良さそうな気がするので、もしそうなったらもっと有名になって人気が出そうな気がします。いつになったら出るん
でしょう?と書き続けてついにです。2022年コミカライズが開始されました。しかも作画が原作イラストを手がけるりいちゅさんです。マンガ版も楽しみです。
 
 

8巻目の感想

8巻目は、未知の世界へコマリンたち一行が降臨です。コマリンたちの常識が通じない世界で、依頼を受けながら路銀稼ぎとか異世界転生ものかと思わず感じる楽しさでした。

そしてそしてなんと未知の世界でコマリンは、おもいっきりデレます。
ヴィルLOVE勢の登場にさすがのコマリンもデレちゃうんです。ヤキモチMAXです。いいわけしまくりながらヤキモチをやく様子は、たいへんに良いものでした。

 
前後編仕立てとなっていて後編にあたる9巻目が気になります。
 
ひきこまり吸血姫の悶々6 (GA文庫)
小林 湖底
SBクリエイティブ
2021-09-14
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