こわれたせかいの むこうがわ【ラノベ感想】

2023年1月11日

こわれたせかいの むこうがわ ~少女たちのディストピア生存術~
著:陸道 烈夏
イラスト:カーミン@よどみない
出版:電撃文庫
   9784049130157
 

アマゾンのあらすじより

《フウ》――最下層の孤独少女。
 友は小鳥のアサと、ジャンク屋の片隅で見つけた、古いラジオのみ。
 《カザクラ》――マイペースな腹ぺこガール。
 出会った瞬間からフウを「お兄ちゃん」と慕い、陽気な笑顔でつきまとってくる。
 そんな二人が出会ったここは、世界にただ一つ残るヒトの国。異形の怪物たちが支配する果てなき砂漠の真ん中で、ヒトビトは日々の貧苦を喜びとし、神の使いたる王のために生きねばならない――。
 だが、彼女たちが知る世界は、全部大ウソだった。
 たくさんの知恵と一握りの勇気を胸に。今、《世界一ヘヴィな脱出劇》が始まる。
 第26回電撃小説大賞《銀賞》受賞作。
 風の名を持つ、二人の少女の物語。

感想

スラム暮らしの孤独な生活。その中で友達の小鳥と家族になる少女カザクラと出会い成長していく物語です。ラジオから「知」を得て、鳥かごのような「世界にただ一つ残るヒトの国」からの脱出劇が最高に熱い作品です。ラストにある「せかいのむこうがわ」のシーンでは、思わず涙がでるぐらい面白かったです!

ディストピアなSF要素の強い作品で少女には、とってもハードな世界になっています。強くなければ生きていけず主人公のフウは、強くてたくましい娘に育ちます。一生懸命世界を広げていっている様子が、ありありと分かって読みごたえのある成長物語でした。そして家族になるフウは、マイペースな腹ぺこガールと明るいキャラです。しっかり者のフウとマイペースなカザクラのセリフの応酬が、仲が良い女の子の会話っぽくて癒やされます。若干の百合要素といったところかも。

1巻目の完成度が非常に高くて、SF系のラノベが好きな方は是非読んでみて欲しいです。2巻目は「せかいのむこうがわ」での冒険となり、若干テイストが変わったような気がします。男女とも個性の強すぎるキャラが出てきて、戦闘やら演出がより派手になった印象です。カザクラの過去が気になる方は、2巻目も続けて読んでみてください。

 
 

 

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Posted by kyoikyoi