乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル【ラノベ感想】

2022年8月1日

乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル
著:春の日びより
イラスト:ひたきゆう
出版:TOブックス
61sxhJIrPjL
 

アマゾンのあらすじより

剣と魔法の世界シエルで孤児として生きていた少女アーリシア。
ある日、彼女は自分が“乙女ゲームのヒロイン”であると知ってしまう。両親の死さえ単にストーリーの一部だったのだ。アーリシアはヒロインの役割を「くだらない」と一刀両断すると、冒険者『アリア』を名乗り、次第に複数の武器と魔法を操る「殺戮(さつりく)の灰かぶり姫」へと成長していく! だが、“悪役令嬢”の護衛依頼を受けたことで、気付かぬ間に貴族同士が争うゲームの舞台に巻き込まれていき――?
「私は“私”だ。ゲームの登場人物じゃない!」
武器を作れ! 技を鍛えろ!
強敵との戦いに生き残り、乙女ゲームをぶち壊せ!
戦うヒロインが魅せる、壮絶&爽快な異世界バトルファンタジー!

次に来るラノベ大賞にノミネートされていて手に取った作品です。タイトルから想像していた内容とは全く違いました。どん底からはい上がり、強敵とバトルの連続でした。これは熱い!面白い!!

 

主人公のアーリシアは、乙女ゲームのヒロインです。貴族の両親と死に別れて、孤児院から始まるという超絶ハードモードのスタートになっています。この人生ハードモードが今後ずッと続いていくのが特徴的であり面白い作品です。アリシアは7才の女児です。剣を振るのすら困難で足りない能力は、知識と立ち回りと思い切りでカバーです。そうタイトルの最強とは、主人公が最強というわけじゃなかったんです。最強のサバイバル生活ってことだったんですね。

とはいいつつ乙女ゲーム世界に転生するお話しでもあります。そしてゲーム世界らしくステータスやスキルがあって、ページ中に内容が明かされています。戦闘力も数字で分かります。
ストーリーの大枠は、乙女ゲームの流れで進んでいくのに主人公をとりまく環境ときたら超絶ハードモードです。食料を食い延ばし周囲の誰も信用せず、主人公が死線をくぐり抜けるバトルが続きます。もうこれは少年マンガのノリですよ。熱い熱い! 限界を超えてギリギリの勝利を掴んでいくバトルファンタジーですね。

 

アーリシアは一見すると可愛らしくて子猫のような外見です。でも中身は生きるのに必死でまるで山猫です。
きれいな個室を与えられたときの行動が、ベッドの中に丸めた毛布をいれて人の形を整える。自分は部屋の隅でナイフを手に気配を殺して眠るですからね。どれだけハードな世界に生きているか伝わるでしょうか

乙女ゲーム要素も色々入ってい、主人公は乙女ゲームのヒロインです。でもよくある転生者ではありません。転生者から世界がゲームであること、それからゲーム内外の知識を受け継ぐんです。これが見事な仕掛けになっていて、7歳児でもサバイバルできる知識を得ることに繋がっています。ただ知識を受け継いだだけなので、無双するほどの知識まではいきません。そこを補おうと試行錯誤をしてステータスをアップしていくことになります。丁寧な組み立てになっていて面白いです。

加えて乙女ゲー世界への転生者は、一人だけじゃなかったりもします。読者目線では、アーリシアのヒロイン設定がどう物語に絡んでくるのか。そして生き抜くとができるのか気になって、目が離せなくなります。文句なしに面白い作品です。

 

好みが分かれる箇所をあげると、あまりハードモードすぎてアーリシアは容赦ない娘ってところしょうか。敵に対して容赦がなしです。表情変えずに命を奪います。可愛らしい女の子がそういうことをするので苦手な人はいるかもしれません。

 

2巻目の感想 

とても面白かったので続けて2巻目を読みました。アーリシアはダークエルフに師事して、魔法やらなんやらを教わるあたりから始まります。やっとアーリシアが人間らしい生活に触れてちょっとホッとしました。そして2巻目は師匠を害する勢力との全面抗争に突入していきます。
お師匠から人間らしさも教えられてますが、抗争中のアーリシアはあいかわらず。勝つために手段を選びませんし、強くなるためにも手段を選びません。心はまだまだ渇ききってますね。

そして可愛いを追い求める防具屋とか、関わるな危険な抗争相手連中とか今回もまた個性的なキャラが登場します。そんな面々の中で私がもっとも印象的でお気に入りになったのは、悪役令嬢です。完全にイっちゃているんですよ。強大な魔力でそれはそれは強いです。
でも強さの代償で色々とぶっ壊れています。自分を戦って殺してくれる相手を待ち望んじゃってます。アーリシアという毒に対して、悪役令嬢って毒で制するとかでしょうか。面白いですねえ。バトル系が好きならこのワクワク感、分かってもらえないでしょうか?

なおTOブックスオンラインの特典として、アーリシアが乙女ゲー本来の展開(エルヴァンルート)を過ごしたエピソードがついてきます。これはこれで面白くてもっと読んでみたかったです。それから乙女ゲーだとアーリシアは、聖女として活躍するってのも分かりました。となると本編でも聖女になるのか気になります。聖女……アーリシアが聖女?? 2巻の段階ではまったく想像がつきませんね。

 

3巻目の感想

3巻目も読みました。目次を見たら放浪編 第4章 前編になってました。ということは続刊確定ですよ。開始早々に嬉しいニュースでした。

バトル面だと3巻目は、オークジェネラル率いる一団と因縁の相手との再戦です。オークとの戦いは、ステルスキルにゲリラ戦とこれまでに培ったサバイバル技術の集大成な一戦です。対して後者の方は、実力者だけの少数戦闘な上にアーリシアがパーティーを組んでます。敵1名、味方3名とこれまであんまりなかったチーム戦でどちらも熱いです! どんなバトルシーンも面白くて最高ですよ。

そこに加えてお師匠様や職人との涙を誘うシーンがあったり、この巻じゃ数ページしか出てこないのにインパクト強烈なカルラ嬢のシーンとか面白い尽くしでした。
あと超生物のクァールが登場したのは、懐かしさ+嬉しさですよ。私は高千穂さんのダーティペアでクァールを知ったくちです。乙女ゲーヒロイン、アーリシアのマスコットになるのですかね? 先の展開を想像しながら続刊を待つとします。

 

4巻目の感想

これまでソロだらけだったアーリシアが、ついにギルド加入です。
そしてパーティーを組んでダンジョンアタックと、乙女ゲーどこに消えたってくらいのバトルファンタジーを満喫できました。
あいからずコンマ数秒先を読むバトル描写で熱かったです。

そして3巻目ではおとなしかった悪役令嬢、カルラも帰ってきました!
作中のセリフも、行動も、イラストも、闇だらけです。完全にカルラのアーリシアに向ける感情は、ヤンデレなんて優しい表現を突き抜けてますね。
この狂気を見たら目を離せなくなります。いやぁ、完全にぶっ壊れてたカルラのターンでした。

 

成長とバトルの楽しさに、乙女ゲーと異なる要素がミックスされ面白いです。

そして次回では第2部に入り、やっと乙女ゲー展開なるみたいです。魔術学園でおとなしく乙女ゲー展開となるのか? それともやぱりサバイバルなのか??  5巻目も楽しみです。

 
 
 
 

同レーベルの感想も読んでみる

TOブックスの感想