聖女ヴィクトリアの考察 【ライト文芸感想】

2022年9月9日

聖女ヴィクトリアの考察 アウレスタ神殿物語
著:春間タツキ
イラスト:三弥カズトモ
出版:角川文庫

9784041115251

公式のあらすじより

王宮の謎を聖女が解き明かす!大注目の謎解きファンタジー。
霊が視える少女ヴィクトリアは、平和を司る〈アウレスタ神殿〉の聖女のひとり。しかし能力を疑われ、追放を言い渡される。そんな彼女の前に現れたのは、辺境の騎士アドラス。「俺が“皇子ではない”ことを君の力で証明してほしい」この奇妙な依頼から、ヴィクトリアはアドラスと共に彼の故郷へ向かい、出生の秘密を調べ始めるが、それは陰謀の絡む帝位継承争いの幕開けだった。皇帝妃が遺した手紙、20年前に殺された皇子――王宮の謎を聖女が解き明かすファンタジー!

感想

角川文庫の通常レーベルなんですが、白黒イラスト付でキャラ紹介もあってラノベを普段読む層にも刺さる面白い作品でした。文体はしっかりとした小説調です。ラノベでよくあるお約束な表現もありません。とはいえライト文芸レーベルを読み慣れていれば、スラスラよめるぐらいな文章のカチっとさで心地よかったです。

冒頭が追放宣言で始まって思わずエッなところから始まって、やたらと腕が立つ騎士に救われての逃避行。その先で巻き込まれる帝位継承争いと息をつかせぬ展開に引き込まれます。神殿と聖女などのファンタジー設定もたまりませんね。
あと「王宮の謎を聖女が解き明かす」とあるようにミステリーみたいな謎を解き明かすシーンがあります。これが見事なんですよ。状況証拠とか事実を積み上げていって「謎は解けた!」に至るまでが、設定と描写がしっかりしているからスッと入ってきます。パズルのピースを組み合わせて解く、謎解きのものの楽しさが良かったです。

聖女と騎士様のロマンスに発展するのかな? 聖女のライバルは、次にどんな手を打ってくるのかな?とキャラも魅力的で次巻が楽しみです。私のお気に入りは場の空気を読むのに長けて、つかみ所がない監察官です。彼がどうストーリーを盛り上げてくれるのか気になってます。

 

2巻目の感想

今度は皇位継承に巻き込まれて、皇帝崩御の謎を追いかけることになります。
死者の姿を見ることができる、死者の声を聞くことができるヴィクトリアの能力は、とってもファンタジーなんですよね。魔力なんかも作中に出てきますし。

でもお話の中心に来ているのは、謎解き。登場人物の行動と発言を追いかけて、真実に迫るミステリーなんです。継承選挙でのルールの穴をつくやり方とか、そこをどうやって突き崩すかとか先を想像しながら読むが、とても楽しかったです。

2巻は特にレーゼ皇女は印象的でした。トリックスターなのかな?と思わせておいて、あぁいう真相なんて。ついレーゼ皇女を好きになってしまいますよ。

 

一般レーベルとなりますが、硬派なファンタジーラノベが好きな方には強くオススメします。

 
 
 

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