星辰の裔【ライト文芸感想】

2023年1月10日

星辰の裔
著:喜咲 冬子
イラスト:巖本 英利
出版:集英社オレンジ文庫
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アマゾンのあらすじより

男神と女神によって作られたという神話の島・十津島。薬師だった父の志を継ぎ、自身も薬師となった少女アサは、大陸からの先進知識が集まるというクマデの町を目指し旅していた。アサは不運にも旅の途中で、島人が馬賊と呼ぶ大陸からの侵略者の奴婢狩りに遭い、捕まってしまう…!?

古代中国っぽい中華風ファンタジーです。アサは結婚で家庭にしばりつけられたくないと女性であることを隠して薬師の旅をしているという状況からスタートします。現代よりももっと女性の地位が低い世界背景なので自分らしく生きる、自由に生きたいというメッセージを感じ取りました。

物語の中でアサは終始、外からの力で人生を左右され続けます。あるときは女性だから、ある時は奴隷だから、薬師の技術を持つから…などなど。不自由な中でアサの運命はどうなっていくのか、アサの夢は叶うのか最後まで目が離せない展開でした。

 

オリジナリティーのある世界観なので、まず前半は用語や世界観をじっくり読んでみてください。早い内に用語を理解すると没入感がグッと高まります。読み応えのあって重量級のストーリーです。
なおリアル古代中国史ばりに人の命が軽いところがあります。ハード目な展開も含まれるため、そういうのが苦手な方はご注意ください。

 

前作の『流転の貴妃』に続いて、強くて魅力的な女性主人公の作品でした。

星辰の裔 (集英社オレンジ文庫)
喜咲冬子
集英社
2020-11-27
 
 
 

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