ジャバウォック【ラノベ感想】
ジャバウォック ~真田邪忍帖~
著:友野 詳
イラスト:吟
出版:KADOKAWA NOVEL 0
アマゾンのあらすじより
織田信長が召喚した邪悪な神々により魔界化した戦国の世が終わり十年。魔界戦国の復活を企む、冥府から戻った真田十勇士あらため“十幽鬼"!対峙するは“生きていた兵"真田大介。超スケール伝奇アクション!
魔界戦国の世の終結から10年――かつての主君・秀頼との約束を果たすべく壮絶な戦いに再び身を投じた真田大介は、千姫とあとらと共に豊臣の黄金をめぐり、十幽鬼をはじめとする多くの刺客と激突を繰り返すことに!
感想
色々と私には合わない要素があり、なんとか2巻とも読み切りました。
伝奇アクションと銘打つだけあり内容はド派手で、ノベルゼロ作品で屈指のエログロさ加減をほこります。どっちかの要素が多い作品は結構ありましたが、エログロ両方とも特盛りなのは珍しかったと記憶します。物語を演出するために民衆は犠牲になりまくりです。そしてその犠牲に対しての救いは、ほとんどありません…
文章は時代物+伝奇小説をイメージする文語混じりで、固めの言葉遣いです。カッパ・ノベルスみたいな新書本に文章回しが似ていて、中高年層向けの作品のような印象を受けました。
その内容はというとトンデモ系です。忍者・妖怪・邪神・SF…エンタメなんだから面白ければ、細けぇこたぁいいんだよ調です。後書きで作者自ら「奇天烈な思いつきをぶっ込めるだけぶっこんだ」とあるくらいです。よって真田十勇士で期待して読むと全くの別ものにブチあたるでしょう。
加えてどうも本作は過去の時代物作品のパロディーと言われるネタも多いようなんです。『魔界転生』と『甲賀忍法帖』を読んだ私の知識程度ではついて行けず、作品の勢いにのって読むことができませんでした。
またベテランの作家さんなので、細かいことをクドクドと書いていません。状況をイメージしてセリフは、誰が誰に対してしゃっべっているのか、場面の繋がりはどうなっているかを注意深く読まないとならず、私では気を抜いて読むと前後を把握できないことがありました。
その要素も加わって内容把握に一生懸命になってしまい、ストーリーにのめり込んで勢いにのって読むことができないという悪循環…。映像作品ならビジュアルの勢いで乗り切れる奇天烈が、文章として追っていくのはなんとも大変でした。
本作は実質上下巻のような作品なので、読むなら全部読みを推奨します。読者を選ぶタイプの作品ではないかと感じています。
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