『金の星亭』繁盛記【ラノベ感想】

2023年1月10日

『金の星亭』繁盛記 ~異世界の宿屋に転生しました~
著:高井 うしお
イラスト:又市 マタロー
出版: カドカワBOOKS

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アマゾンのあらすじより

サラリーマンのおもてなし術で異世界宿を復興させられるか――!?

三十路の会社員・川端幸司は残業後の帰り道、異世界に転生した――すきま風の吹く宿屋『金の星亭』の長男ルカとして。家族と生活を守るため、日本人ならではの工夫を武器にした宿大改造計画がスタートする!

感想

異世界での知識系チートに属する作品なのですが、あえて「やりすぎない」「派手にしない」とゆっくり堅実な展開に押さえられています。それによっていわよるテンプレと言われる没個性的な異世界展開とならず、金の星亭ならではのオリジナリティを出しています。
雰囲気としては平和な家族愛にあふれた作品です。お子様にも安心して読んでもらえる内容ですよ。
 
転生先は身体面も魔力面も平凡な6才児です。ですから基本的にできるのは、ご飯をおいしくするなどのちょっとの改善ができるぐらいです。現代的なビジネスアイデアを異世界に持ち込むとそれなりの改善で儲けますが、他作品に比べるとかなり控えめです。一歩一歩実家の宿を改善していく様子が、育成ゲームの序盤のような成長を実感できて楽しいです。私が個人的に好きなタイプの異世界ものです。
 
ストーリーの中心となる登場キャラは、物語が主人公の周囲で動くのにあわせて家族や隣人がメインです。あたたかい人間関係に囲まれ嫌われ役はほとんといません。そして2巻目では作者一押しの少女ユッテが登場すると、幼い恋愛要素も加わって面白さが加速していきます。キャラも良いですね。
 
異世界に転生する最初のシーンもちょっと他とは違っていたりします。主人公は残業続きのハードワークですけど、ブラックというより中間管理職的なところが強いです。また過労死でもなかったりもします。そのあたりがラストでの展開への布石になっています。
ただ残念なことに書籍版の2巻だと途中で終わりなんです。続きは小説家になろうで読むことができます。学校編などの展開があり、展開のインフレを起こす前に物語は収束しています。ほどよい長さで完結しているため、なろうの続きも合わせてオススメします。
 
 
 
 

 

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