竜魔神姫ヴァルアリスの敗北 【ラノベ感想】

2023年1月10日

竜魔神姫ヴァルアリスの敗北 ~魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない~
著:仁木 克人
イラスト:茨乃
出版:電撃の新文芸
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アマゾンのあらすじより

魔界最強
「くっ、何故こんなにも美味しいのだぁぁぁぁ!」
魔界最強の姫ヴァルアリスは、王族に課せられた試練の為、人類を滅ぼすべく東京に降り立った。
しかし、ヴァルアリスを待ち構えていたのはカレー、ラーメン、パンケーキなどのあまりに美味な人類の料理!
そして、お客様のために、凄まじいこだわりと熱量と愛情で調理する一癖も二癖もある料理人たちだった!
はたしてヴァルアリスは食の誘惑に打ち勝ち、人類を根絶せしめることができるのか!?

ヴァルアリスの可愛さ×ご飯の美味しさにニヤニヤが止まらない最強グルメコメディ開幕!

感想

あらすじに反して書き出しは、最強の姫ヴァルアリスによる魔界無双が続きます。画数の多い漢字+カタカナ読みのルビまで出てきて、一見すると最強キャラが大暴れしちゃうそういうラノベなの?と思えます。
ところがよーくみると竜魔神姫<トンデモナイゼ>、剣魔神姫<ソーデモナイゼ>、滅界儀式<ホロボシタル>なんて書いてあります。そうです本作はガッツリとしたコメディです。表紙のイラストはとても上手に内容を表しているんです。
 
 
主人公のヴァルアリスが、これは美味いと感じる料理を探して、単身人間世界に赴くグルメがメインの話です。ただ悲しいかな美味しすぎて完食してしまって人類のグルメに敗北する……までがセットのお話です。各話でくどいぐらいに本作のタイトルは「竜魔神姫ヴァルアリスの敗北」だよ、と念押しするぐらい徹底されてます。
 
展開の型がピシッっとしていて、まるで長期連載作品を読んでいる気分になりました。様式美とも言える分かりやすい茶番的な魔界パートがあり、その後に人間界(主に関東近辺)でグルメを食し、ついつい間食して敗北。実家のような安心感です。それだけでなく孤独のグルメみたいに、つい見てしまう魅力もありました。
 
 
取材や許可取りが大変でしょうから、1~2巻で実在する店舗が登場するのは、各1件程度です。もし実店舗を取り上げた話が増えてきたら、更なるグルメラノベとして新境地を開拓しそうです。そうでない話でも元となった店舗が見つかりそうな地域で有名なグルメが取り上げられています。テンポの良いコメディ+グルメで他では読めない作品だと思います。コメディ好きならオススメです。

 

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