佐々木とピーちゃん 【ラノベ感想】
アマゾンのあらすじより
ペットショップで購入した可愛らしい文鳥は、異世界から転生した高名な賢者様だった。世界を超える機会と強力な魔法の力を与えられ、佐々木は異世界へと現代の物品を持ち込み商売を開始する。世界間を行き来しつつ――お金を稼ぎ、魔法の訓練をして、美味しい物を食べる――悠々自適なスローライフを目指すが、ある日の会社からの帰り道で異能力者と遭遇してしまう。賢者印の魔法で異能バトルを切り抜けるも、実力を見込まれて内閣府超常現象対策局にスカウトされ、晴れて国家公務員に転職が決まり……?異世界ファンタジー×異能バトル×年の差ラブコメ(?)。さらには魔法少女、ご近所JC、同僚JK、貴族、ロリババア、王子etc…属性ジャンル全部乗せでお贈りする、異世界と現代日本行ったり来たり物語。MF文庫Jが放つ新文芸として、遂に登場!
■感想
あらすじ通りで属性ジャンル全乗せの盛りだくさんでした。それでいながら消化不良感もないですし、まったくツギハギ感なんて感じさせない一体感を感じる作品になっています。読み応えがあって面白かったです。
どんな感じかというとサラリーマンのおっさんが、転移した典型的な異世界生活のストーリーが最初にあります。このへんはある意味オーソドックスです。ただ異世界との転移は自由に現代と異世界の往来が可能になっています。しかも現代と異世界では時間の流れが違うようになっています。異世界で何日かすごしても現代では半日も経っていないといった具合です。
このギミックを生かして異世界展開を堪能しながら、現代では魔法を覚えた主人公による異能バトル展開も楽しめるようになっています。ものすごく贅沢なセットですね。ここに魔法処女とかヤンデレとかロリババァとかいろんな要素のキャラが加わってます。
非常に凝った構成になっているので、1巻あたりの文章量は膨大です。313ページあってこれがノベルスみたいな上下二段の版組になっています。体感的に通常の文庫ラノベ2-3冊ぐらいあって、非常に読み応えと満足感がありました。単行本で定価こそ高いですけどコスパは結構良いと思います。
もう十分に個性的なラノベですが主人公もおっさんですんで、ラノベ主人公がとる王道的な行動とはかけ離れています。たとえば普通こまっているキャラ、特に女性キャラがいれば反射的に助けるところ本作の主人公は違います。まず損得計算・状況判断が先に来てしまうんです。よく言えば意理性、わるくいえばつまらない大人な反応です。それが大人の読み手にとっては、主人公に妙な親近感を感じてしまうところです。
以上のように要素がたっぷり詰め込まれていて、読むのを止めるタイミングに困るほどでした。それだけ面白くて次が気になるラノベです。色んな好みの方がいると思いますが、きっとどこかしかに楽しめる箇所があると思います。いずれ2巻目・3巻目をかって続きの感想を載せます。面白くてオススメします。
最後に一カ所だけ注意点を。巻末にキャラ紹介が載っています。実はその中にキャラのぶっちゃけが混じっています。ネタバレが苦手な方はあとがきまででストップしておくのが良いかと思います。
2巻目の感想
異世界+現代異能バトル+のじゃロリ+ヤンデレ+JKなどなど、今回も属性てんこ盛りで面白かったです。商い系のシーンが好きなので商会とか、現代への資産移転のお話は特に面白かったです。キャラでのお気に入りは静ちゃんです。この巻では親しみやすい「のじゃロリ」の雰囲気になっています。中身は年齢3桁超えで、大人の余裕も持っているのが良いですよね。ねぇ?
そしてどうなるのか気になるのがお隣さんです。不穏さ具合が加速しちゃってます。気になるので3巻目もすぐ読んでみます。
3巻目の感想
これまで単独シーンが多かった各々のキャラが交わり出しました。異世界人・異能力者・魔法少女・デスゲーム・ヤンデレが会しても、「佐々木とピーちゃん」って1つの作品となっているのは見事ですね。お隣さんの暴走はこの巻でも止まらずです。終盤の引きなんて、続きが気になってなりません!
またこれまで完璧超人であったピーちゃんの苦戦が印象的でした。ただかえってそのおかげで、ピーちゃんの愛らしさが増したような気がします。面白かったです。
4巻目の感想
前巻のラストが気になっていたのでスッキリしました。主要メンバー勢ぞろいで全員に見せ場があって大満足です。この間のメインイベントといえば副題にある「巨大怪獣」でしょう。自衛隊の面々と協力して富士での決戦は、往年の特撮へのオマージュでしょうかね。佐々木の活躍も注目です。
あと表紙イラストは、盛り姫以外のキャラがそろってカオスな状況です。作中のどっかでこれっぽいシーンが出てきますので、どうしてそうなったか想像しながら読んでみると面白いんじゃないかと思います。
5巻目の感想
魔法少女たちはお休みして現代と異世界のお話です。これまでとは打って変わって現代が、日常展開になって異世界側は、王国の権力争いに巻き込まれた大騒動です。癒やしの異世界で謀略にクーデター、いわゆる普通の異世界ファンタジーにありそうなイベントが巻き起こります。
一筋縄でいかない異世界の陰謀、ピーちゃんも思わず本気を出す魔女など熱くて目を離せない展開だらけでした。やっぱり面白いです。
現代での「佐々木JKの自宅お呼ばれイベント」なんかも、ユルい空気感でまた面白かったです。
そうそう5巻目では、新たな(推定)ロリババアも登場します。金髪亜人種です。今後、金髪洋ロリババアと黒髪和ロリババアの邂逅……想像するだけで胸が熱くなりますね。
6巻目の感想
お隣りさんが新しい学校に移って子供らしい生活をおくれていて嬉しいです。まぁ当の本人は、全くうれしそうな感じじゃないってのもお隣りさんらしくて楽しいところですけどね。
そして6巻目というと宇宙人まで新規参加します。そしてその子が、またまた独占欲強くて面倒な構ってちゃんなんですよ。
思いっきり星崎さんをロックオンしてしまっています。それに加えて地球終了のお知らせを簡単に実現できるテクノロジー持ちときたもんです。地球の命運は、星崎さんのかかっているのかもしれません。
7巻目の感想
地球を守るため宇宙人との疑似家族を作って家族ごっこしてみたり、天使と悪魔のデスゲームに巻き込まれた7巻目でした。
感情を持つことを禁忌としたAIが、感情を求めるSF展開も『佐々木とピーちゃん』だとこんな展開になるんですね。家族ごっこの役割を決める時の末っ子争奪戦なんて、予想した通りの楽しさでした。
それに加えて遊園地での実の子供と、家族ごっとの子供との違いを宇宙人に突き付けるところ。あぁいう辛いけど避けて通れない現実への問題提起は、7巻で印象に残るマイベストシーンです。
そして4-5巻あたりから大変な展開がずっと続いていて、定期的にはさんでくれるエルザ様のシーンは癒しですね。ただただ良い娘です。素敵なレディです。彼女には今後も真っすぐでいて欲しいものです。
8巻目の感想
前巻ではじめた宇宙人との疑似家族ごっこ継続です。戸籍までいじって宇宙人がAIロボでお隣さんと同じ中学校に入学する事態となりました。
宇宙人AIロボのかまってちゃん気質は厄介極まりないですね。人類がもつ愛情を研究とかいいながら、ハタ目から見たらただの承認欲求モンスターで「かまってかまって」なんです。しかもロボの見た目は金髪美人だから入った中学じゃ注目の的にきまってますからね。クラスの輪の中心にいて質問攻めにされて、悦楽に陥るロボが状況をカオスにしてくれました。
デスゲームシーンや異世界パートもちゃんとありましたが、私は学校シーンの印象が一番です。
それから8巻目はラブコメ要素も追加でした。もちろんラブコメの対象は、主人公の佐々木です。
中年おっさんのラブコメ……まぁ現実はこんな感じですよね。負けるな佐々木!
そうそう毎回口絵には登場人物たちがSNSを利用したメッセージ画面が載っているところで、8巻目はロボの回です。承認欲求モンスターとSNS……今後とんでもないことに繋がりそうな予感。これはこれで楽しみです。
またまた物語の密度が濃くなって面白くなりました。どこまで濃くなるんでしょうね。
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