皇妃エリザベートのしくじり人生やりなおし【ライト文芸感想】
アマゾンのあらすじより
二回目の人生は、絶対に幸せになってみせる。陛下との結婚が不幸の始まり!?皇帝陛下は未練たらたらだよ、シシィ暗殺者の凶刃に倒れ六十年の生涯を閉じたオーストリア皇妃エリザベート。ところが、一回目の人生の記憶そのままに、六歳の少女時代へ逆戻り!?二度と不幸な人生は歩みたくないと、運命の分岐点だったフランツ・ヨーゼフとの出会いを回避し、見初められることのないようガリ勉少女に変貌を遂げるのだが…。転生エリザベートと堅物皇帝フランツ・ヨーゼフの二度目の出会いと恋を描く、甘く瑞々しい歴史ファンタジー。
感想
ハプスブルクの歴史が好きと話していたら紹介して頂いた本です。二見サラ文庫なので完全にノーマークでした。リアル史実と王道の転生やりなおし展開で面白かったです。ものすごく満足度が高い作品です。
展開の大枠は暗殺者に襲われ非業の死を遂げたので、少女時代に転生した次の人生では幸せをつかむまでのアレコレです。それが主人公の一人称視点で進んでいきます。転生系のラノベに慣れていると読みやすいと思います。
そこに二見サラ文庫らしさなのか、王子様からドストレートな恋愛表現が加わります。ピンポイントに心を揺さぶる言葉をぶつけてくるんですよ、王子様が。主人公の女性視点でよんでいるとコレはきますねぇ。恋愛要素はラノベに比べてやっぱり濃いです。
主人公の皇妃エリザベート、パートナーのフランツ・ヨーゼフ帝、天敵のゾフィー太后と登場人物は史実ハプスブルク家の面々です。背景で語られるウィーン革命やハンガリー人のナショナリズムとか世界史そのまんまです。歴史好きにはたまりませんねぇ。その時アレがこうだったらって妄想がはかどります。かなり細かいとことまで書かれていてホント楽しいです。反面、予備知識なしだとちょっと大変かも。
そこで巻末に江村さん・塚本さん・菊池さんとハプスブルク家本の定番がいっぱい載っています。あえて先に背景になるリアルの情報を入れてるとより楽しめます!
あとウィーンのカフェ文化で現存する菓子店がでてきたり、ケーキやカフェのメニューが出てきたりで海外旅行に生きたくなる要素もあります。歴史・旅行好きにも楽しめると思います。
ついででこの時代を知るにあたっての白黒映画に良い作品があるので、あわせて紹介です。
映画作品「うたかたの恋」
エリザベートが息子を失ったマイヤーリンク事件をあつかっています。どんな生活をしていたのかを映像で見られるので、脳内イメージを創るのに役立ちます。
良い作品を紹介して頂けました。ハプスブルク好き、皇女シシィ好きな人を狙い撃ちって一作です。
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