え、神絵師を追い出すんですか? 【ライト文芸感想】
アマゾンのあらすじより
理不尽に追放されたデザイナー、同期と一緒に神ゲーづくりに挑む!「お前はクビだ。出ていけ夜住彩!」突然の追放。ゲーム開発会社の新人デザイナー彩は、仕事の遅い残業代泥棒と上司に難癖をつけられ、自主退職を促す『追い出し部屋』へと異動させられる。途方に暮れる彩だったが、誰かを元気づける作品作りが彼女の夢。同期の真宵学と意気投合し、新しいゲーム企画を作ることに! その企画で、自分を追い出した元上司の企画と予算を競うことになり――?そう、無能上司は理解していなかった。彼女こそデスマーチを一人で支えた神絵師だということに。夜住彩の快進撃はここから始まる!
感想
お仕事系の物語です。開始早々にチームから外されるという追放ざまあ要素があるスカっと系のお話です。社内の花形から離れて不遇をかっていたメンバーが、奮起してみんなをアッといわせるプロジェクトを成功させる展開となっています。私はNHKでやっていたプロジェクトXみたいなお仕事で大き何かを成し遂げる作品って好きなんです。私の好みど真ん中な作品でした。
テーマはゲームの開発です。主人公は作画が早くて絵も上手い凄腕のデザイナーだったんですが、上司にうとまれて追い出し部屋送りです。送られた追い出し部屋には、有能なのに飼い殺されている面がいてその仲間達とこっそりゲーム開発という流れです。このこっそり開発が、昨今の労働事情をちゃんと反映していて面白いです。社会人の身近なあるあるが目を引きました。
定時後にこっそりやろうとすると残業で労基違反になるから残れない。家で作業をしたら情報流出でアウト。メールで業務報告しても一切読まない上司とか思わず共感してしまうようなネタの数々です。そうして貯めたフラストレーションが、ゲーム開発を通じたスカっとに繋がっています。
売上を最優先に考える上層部と面白いゲームを作る考えは、永遠のテーマですね。本作の上層部は儲け主義に走りすぎですけど、どちらも間違っていないので難しいテーマの魅せ方が凄いなぁって感じます。
この作品で面白い点として宮城こはくさんは、作者兼イラストレータ―というのもあります。絵をかかれるので作中で主人公が、指摘するデザインに関するコメントって作者の経験に基づいているんでしょうかね。こうやって絵を考えるのかと興味深かったです。
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