女伯爵アンバーには商才がある! 【ラノベ感想】
女伯爵アンバーには商才がある! やっと自由になれたので、再婚なんてお断り
著:守雨
イラスト:薔薇缶
出版:アース・スター ルナ
アマゾンのあらすじより
元ダメ夫のせいで破産寸前になった伯爵家は、私が立て直す!
伯爵家の一人娘アンバーは侯爵家のブランドンと政略結婚していた。
伯爵家の財産管理はブランドンが行うという結婚の条件によりアンバーは付き従っていたが、彼には仕事の才能がなく財産を食いつぶし、さらには侍女と駆け落ちしてしまった。
しかし、元夫に隠れてこっそり副業をしていたアンバーはその経験を生かして、衣料品、エステ、バーなど次々に事業を立ち上げていく。
どの事業も軌道に乗り喜んだのもつかの間、ある事実が判明し窮地に陥ってしまう。
──そこに現れた美丈夫、謎めいた画家のクリスティアンが驚きの提案を出してきて……!?
感想
我慢をして不遇に耐えていた人たちが、自らの活躍の場へたどり着き人生を取り戻すお話です。守雨さんの素敵なところが、いっぱいですごく良かったです。読んだ後に「がんばろ」って思いになれる作品でした。
『愛らしい淑女になりなさい。強い女は愛されないのよ』
『男の方は守りたくなる女性が好きなの。生意気な女は嫌われるわ』
こちらはどちらも作中のセリフです。
王子様に守られてデレデレに甘やかされるシチュも捨てがたいです。でもこれってその人の個性と生き方が、合っていなくてそんな淑女としての人生を求められたら悲惨ですよね。
本作の主人公アンバーは、教育を受けていて商才にも恵まれた才女です。でも黙って後についてくるよう求めえる夫に無理して合わせた生き方をしてしまいます。そしてそうまでした結果、最後は捨てられるという辛い体験が待っていたのです……
だからこそ自分に正直に生きるアンバーが、かっこいよく映りました。そして困っている人、不遇を被っている人に手を差し伸べるアンバーの優しさに心を打たれました。
善い行いが、善い行いとなって自分たち返ってくる優しくて癒されるお話です。いいですねこういうの。
アンバーに助けられるキャラって結構みんな大変な過去を過ごしているんです。召使みたいに扱われるコニーのエピソードとかグっと悲しい気持ちになりました。それから解放された彼女が、見せてくれた笑顔のシーンなんてとても美しいんです。
守りたいこの笑顔って気持ちになりますよ。救われて心から幸せになってほしいと感じました。
クリスティアンのイケメンっぷりも良かったです。アンバーを大事に持っているのが伝わってきます。
紙の書籍を買った方は、読み終えてからカバーを外してみてください。書籍の表側と裏側にデフォルメされたアンバーとクリスティアンのイラストが載ってます。
楽しそうに仕事をするアンバーと裏に描かれたクリスティアンの姿です。裏面の姿はとても癒されました。うれしい仕掛けです。この作品を表しているようなイラストで良いですよ。
がんばって自分を変えて前に進もうとする主人公たちに勇気を分けてもらえる作品でした。生活や仕事に大変さを感じている人が、いるとしたらオススメして読んでみてもらいたいです。ちょっとだけ大変さを減らしてくれるかもしれませんよ。とても良かったです。
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