後宮の花結師 【ラノベ感想】
後宮の花結師
著:彁 はるこ
イラスト:さんど
出版:カドカワBOOKS
アマゾンのあらすじより
雑草娘から後宮の伝説へ!? 花結師をめざす少女のシンデレラストーリー!
雑草むしりが仕事の底辺女官・草苺(ツァオメイ)。彼女のたった1つの特技は、女性の命であり品位の象徴でもある癒花(ジユファ)――頭部に咲く花を整える「花結い」だった。
いつか正式な花結師になりたいと願いながらも、雑草娘の自分には夢のまた夢と、こっそり周りの女官の花を整えるに留めていた。しかしある日、花を虫に食われ、無残なまでに黒ずませた妃嬪が助けを求めてやってくる。
草苺が独学で身につけた荒削りの花結い技術が、後宮を渦巻く事件を救う鍵になり……!?
感想
中華風ファンタジーな後宮ものです。帯にある「爽快 シンデレラストーリー」とあるように、貧しい平民から後宮へ女官として入った主人公が、あれよあれよと頭角を現していく爽快ストーリーでした。
穏やかな成り上がりものっぽい楽しさです。
楽しさと読みやすさが詰まってい面白かったです。
主人公である草苺がいい娘だってのにつきます。爽快です。
底辺女官で苦労している側なのに傷つき困っている人がいると、考えるよりも先に人助けをしてしまう彼女です。誰かを助けたいって突き進んでいって、それが評価されて返ってくることで境遇がよくなっていくシンデレラストーリーです。こういう王道はやっぱり面白いですね。
そして一般的な後宮ものと違う要素が、花結師のお仕事です。
この世界の女性は頭部からその人を表すような癒花という花が1輪咲いていて、その花の希少性で人生が変わる世界です。そして癒花と女性は、精気でつながっています。
癒花が枯れようなら命に関わる一大事です。だから癒花を選定して整えるのは花結師だけなんですよ。医師の国家資格みたいな扱いで、たとえできたとしても勝手にやるのはNGなんです。
草苺はお師匠様から教えてもらって独学で花結をできます。けどやっちゃダメなんです。
それでも目の前で苦しんでいる人がいると草苺は、放っておけなくて花結をしてしまうんです。で、それを偉い人に見つかって……から始まる後宮内成り上がりです。
最初は草苺の癒花が蛇苺で掃除や草むしりをする女官から、花結の能力や彼女の秘められた能力が明らかになっていって、あそこまで高みに登りつめるとは想像がつきませんでした。
あとは相棒みたいなお師匠様兼家族の黒蛇とか、でっかいもふもふ妖猫といったあやかしも出てきます。
そんな癒やし枠に加えて、人の絆といった感動要素もあります。
前向きな女性主人公ものを読んでみたい方にオススメします。
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