ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました【ラノベ感想】

ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました 〜裏イベントを最速で引き当てた結果、世界が終焉を迎えるそうです〜
著:エリーゼ
イラスト:がわこ
出版:アース・スターノベル

  ガイド役の天使を殴り倒したら、死霊術師になりました

アマゾンのあらすじより

『──天使をぶっ倒したイカれた女って、あなたね~?』
ガイド役の天使を殴り倒したリンネは、隠しイベント【魔神バビロン降臨】を引き当てる。魔神より授かったのは、ユニークジョブ『死霊術師』。
固有スキルでレアモンスターを仲間にし、サクサクと強化&進化。気づいたら世界を脅かすほどの最強パーティに!?
裏イベントを次々に発見し、敵は圧倒的チームプレイで蹂躙する! 無自覚に最前線を切り拓く災害級新人、爆誕!!

感想

リンネさん、破天荒でおもしれーー

天使が嫌い → チュートリアルでガイド役の天使登場 → 天使なぐれるじゃん → 気づいたら殴ってた。トドメもさしてた。

 

そりゃあ女神のバビロン様からリンネは「イカレ女」として目をつけられて、使徒候補として恩寵をうけるわけですよ。
オンラインゲームで誰も予想しなかったぶっ飛びムーブをして、規格外の強キャラ化。そして強くなっても唯我独尊で未開拓ルートをあけまくる爽快感に満ちていて楽しかったです。

それからリンネがコミュ障ということもあって、対人戦での俺TUEEEという方向性じゃなかったのも私好みでよかったです。

あくまで主人公と相方になるペルセウスの2人だけがメイン人物で、他のパーティーメンバーはNPCだから自分たちはただ自由に楽しんでいるだけって、一見すると穏やかな雰囲気がよかったですね。
その反面、リンネたちの行動は匿名掲示板などで一般プレーヤーを混乱の渦に叩き込むわけですが。

 

オンラインゲームで無自覚無双する作品は他にもありますが、本作はツッコミ役不在なのところがいっそう面白くしているように感じました。

主人公のリンネはチュートリアルの天使をノーモーションでぶん殴れる「イカレ女」なんです。バビロン様から死霊術を教わったら、ためらわず使えちゃうタイプです。でもってオンラインゲームにはそんなに詳しくありません。定石じゃないプレイをできてしまいます。

加えてリア友で相方のペルセウスはというとPKギルドのメンバーです……

彼女もリンネからチュートリアルの天使を殴れると聞いたら、キャラをリセットして天使をぶん殴り宇1LVから速攻でやり直すようなブレーキが効かない娘です。むしろリンネを全肯定してくるので、ペルセウスがやらかしを加速させてる感まであります。

あとのパーティーメンバーはリンネの死霊術で生み出した元ウルフのどん太、享年9歳だった白骨死体の少女オーレリアです。

 

こんなパーティーメンバーなんです。普段の顔ぶれに止められる人がいないんですよ。唯一、どん太が「いいの?」って疑問に感じているときがあっても、犬だからしゃべれないんですよね。
女神様とペルセウスが2人してリンネのやらかしを全力応援する構図になっちゃってます。こんなん愉快にしかなりませんよ。

 

オンラインゲームで無自覚無双は好き、でもトップ争いとか競争はそこまで……という方へは特にオススメの作品です。

 

あとできるなら「初回版限定購入者特典」のショートストーリーも読んでみてください。
そこでは女神のバビロン様が光の女神メルティスを目の敵にしているのかとか、リンネとペルセルスにやさしい理由など、かなり本編の重要背景が書かれています。まあリンネは運命の子だったんでしょうね。

 

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