異世界転生したのでマゾ奴隷になる【ラノベ感想】
異世界転生したのでマゾ奴隷になる
著:成間 饅頭/
イラスト:水龍 敬
出版:KADOKAWAの新文芸
アマゾンのあらすじより
人類最強のマゾ騎士に異世界が振り回される!?
異世界転生で理不尽な強さを手に入れ、王国騎士団長の座に就いたクライヒハルト。人類最強の英雄とまで称された彼だが、実は一目惚れした第二王女マリーから虐めてもらうためだけに騎士になったトンデモない“マゾ”で!?
戦時中の王国を守る報酬として、マリーから“ご褒美”を与えられる。そんな充実した日々を気ままに送るクライヒハルトであったが、常識人のマリーは彼を王国に繋ぎ止めるべく“女王様”を演じて胃を痛める毎日。さらに周辺諸国の強者たちもクライヒハルトを懐柔しようと策を巡らせており――!?
マゾ気質な最強騎士と彼に振り回される人々が紡ぐ制御不能の英雄譚、開幕!!
感想
マゾ奴隷です。王女様の生足です。
でもってイラストは我らの水龍敬さんです。
想像をはるかに超える面白さでした。
煩悩全開で行動すする転生騎士様(あるく戦略核)をSMの女王様を演じ、決死の思いで王国を護ろうと奮闘する王女様の下ネタ多めな作品です。
ドタバタコメディが好きな方へはオススメします。
表紙ピンク髪の王女様も後ろのメイドも実はイヤイヤ演技しているだけなんです。
どうしてかというと元凶は転生騎士様の英雄様です。魔族も竜も余裕で倒せますし、なんなら一人で国を滅ぼせるぐらい強いです。
そんな異能生命体な存在が存在して、ある国は英雄に骨までしゃぶり尽くされ抜け殻となり、ある国は王家滅亡で英雄に乗っ取られていたりします。
迷惑すぎる英雄でも国からしたら、存在するかしないかで大違いです。自国に英雄がいなければ英雄がいる他国に滅ぼされるのは必至です。
という背景があって、全て悪いのは転生騎士様の性格と性癖です。
なんとこの騎士様フリーダムが過ぎました。
行動理念は下半身が支配しています。でも美女ハーレムみたいな分かりやすいんじゃなくて、被虐趣味。タイトルのマゾそのものでしかも面倒くさいやつなんですよ。
ただマゾとして虐められたい性癖、じゃあ好きなだけ娼館へいけよと思ったらそれもダメなんです。
騎士様をはじめ英雄ってのは強すぎて人間としての格が違うんです。気が変わったら指先一つでミンチ肉へ変えてくる相手に「やーい、ざこざこ」って罵倒したり叩いたりできますか?
そんなんお金いくら積まれても無理ですよね。だから嬢のメンタルが保ちません。というわけで娼館から一発出禁の常連です。
加えて騎士様はプレイ中に相手が恐怖しながら演技していると感じたら、テンション下がって萎えるってとても面倒くさい性癖なんですよ。いったいどうしろと。
ちなみに騎士様の外面は完璧な紳士だったりします。私欲なしの高潔な騎士です。けどそれはマゾの本性がバレたときのギャップで、ボロクソにいわれたら興奮するからそのための布石とどこまでも自分の性癖に忠実でめんどくせえ奴ときています。
だからピンク髪王女様と騎士様の出会いが運命的だったんです。
なんと彼女は完璧な女王様だったんですよ。望む言葉をかけてくれて毎回新鮮なシチュエーションで責めてくれる天才なんです。
だから騎士様は王女様に忠実な下僕という関係性です。
これは問題大ありでしてピンク髪王女様も本当は恐怖を感じているんです。ただそれを押さえ込んでいるだけです。
さらに騎士様の忠誠は王女様個人のもので、王国に属しているんじゃありません。王女様がいるから王国に尽くしてくれているだけなんですよ。
下手したら王女様を上回るご主人様がでてきたら、騎士様はいなくなってしまうのでは?って恐怖とも戦わないとならないんです。騎士様がいなくなったら破滅する。だから全力でマゾを悦ばせるためにプレイ内容を女王様が必至で考える愉快な構図となってます。
この騎士様は王女様に惚れ込んでて捨てることはないと思いますけどねえ…。まあそんなことは女王様サイドには分からないわけで、スレ違いもののドタバタはとても面白かったです。
王女様すっごくがんばってるよ!
王女様が必至になってあんなバカなプレイを考えているのが面白いんですよ。
騎士様への私の好感度は最底辺ですが、王女様とメイドへの好感度はMAX振り切りました。
そしてぶっとんだキャラの魅力がすごい作品です。
この巻ではもう一人、英雄が登場します。ツインテールのジト目ロリ少女でして、でる作品間違ってませんか?って問いたくなるサイコさんです。つねに目にハイライトがない娘です。
ロリ少女は騎士様以上にぶっ壊れていて、英雄って本当に面倒な存在ですね。
SM展開の下ネタはいっぱいあります。しかしタイトルとイラストから期待しがちなエッチさはありません。
文章のテンポもいいですし、楽しいコメディラノベでオススメです。
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