賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求【ラノベ感想】

2023年1月10日

賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 ~愛弟子サヨナのわくわく冒険ランド~
著:有象利路
イラスト:かれい
出版:電撃文庫

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アマゾンのあらすじより

「ところでコレ、ホントに出版するの?」
編集長の鋭い眼光とその言葉に、担当編集の命は風前の灯火であった。

 

本作は『賢者にして勇者である最強の称号《賢勇者》を持つ男が、弟子(おっとり巨乳美少女)とともに社会の裏に隠れた悪を断罪する』という“ザ・今時のライトノベル作品”としてスタートした。
だが作家からあがってきた原稿は、全裸のイケメン(賢勇者)をはじめ、筆舌に尽くしがたい変態仲間たちが織りなすナンセンスギャグギガ盛りの――いわば「なぜか堂々としている社会悪」的な何かであったのだ(ついでにヒロインの胸も削られていた)。

「だ、出版(だ)します! 面白いですから!」
超言い訳っぽい担当の言葉は真実か!? ――その答えは、君の目で確かめろ!

感想

アマゾンに載っていた煽り文に、マンマとのせられて買ってしまいました。
深夜の打ち合わせのテンションで、こんな小説を書いてしまうまでは理解できます。それでも天下の電撃文庫ですよ?よくもまぁ商業出版を許したものだと思います。
 
読者を笑わせることだけを考えています。ギャグ漫画ラノベにしたら?を実現してしまった作品です。漫才のような掛け合い、下ネタ、強引なキャラづけ、くどい下ネタ、メタネタ、力任せの下ネタ、よくもまぁこれだけ考えたものです。
 
ネタの質は玉石混淆でムラがあります。強引すぎたり、繰り返しすぎで笑えないのが来たらと思ったら、その直ぐあとに思わず声が出てしまうネタがあったりして油断できません。自宅読み向けです。作中のメタネタで行数を時間の単位にする表現は、私のお気に入りです。
 
ストーリーを楽しむのでなく、笑わせにくるネタを楽しむタイプのラノベなので、オススメしにくいです。かなり人を選ぶと思います。真面目な人たちが打ち合わせをして、真面目にくだらないネタを考えたのが伝わってきます。
 
3巻目も読みました。ギャグ作品で続刊を出すなんて相当な労力がかかったのでは?と忍ばれます。巻を増す毎にチェック側がマヒしていくのかキッタなかったり、くっだらなかったりページが大量ですね。伏せる気がない伏せ字などで全包囲攻撃も相変わらずです。我々読者が飽きないようにあの手この手を披露してくれて大満足です。
いわゆるデッドボールコースの変化球作品なので、続刊になるとこの路線が好きな人に向けられて暴走してます。出版できる範囲でガッツリいって欲しいです。3巻ラストのシーンなんて、まだこんな変化球を出せたのかと驚きです。こんな全力のギャグ作品は滅多にないですよ。このくだらなさを読んでみてください。
これで最終巻といってますけど、しれっとZとかRとか劇場版とかつけて続いてくれないかなぁ。
 
 
 

 

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Posted by kyoikyoi