34歳カードゲーマー和泉慎平【ラノベ感想】

2023年1月10日

34歳カードゲーマー和泉慎平 信金営業は魔法少女を狩る
著:楽山
イラスト: みゅとん
出版:Novel 0

    51u90X93PvL._SX350_BO1,204,203,200_

アマゾンのあらすじより

和泉慎平、冴えない中年の営業。なぜか――魔法少女に命を狙われてます
ひょんなことから魔王の寵愛を得てしまった和泉慎平、34歳。祝福と呪いのカードゲーム「デモンズクラフト」を手に、魔法少女たちを倒さねば、和泉に明日はない!? カードゲーム現代ファンタジー、ここに始動!

感想

ノベルゼロの最期を看取る作品ですね。
書き出しで主人公は魔法少女に殺されかけます。美少女アニメに出てくる悪役おっさんとして狩られるシーンからスタートで、いきなり掴みにかかってきます。
 
作中の主人公は、現代のごくごく平凡な中年サラリーマンとして描かれています。やけに具体的な社畜信金マンの描写が印象的です。年を取ると我慢するして耐えるしかない心情描写が、妙に生々しかったです。
そんな彼の特技はカードゲームです。カードゲームをきっかけに、魔王・悪魔を呼び出すアイテムを手にします。アイテムは超級に凄いのですが、持ち主は普通の人(中年おっさん)です。それなので走れば息も切れますし、ちょっと殴られれば大けがを負います。そんなアイテムのチート感と扱う人の普通感のバランスさ加減が、心地よい作品です。
 
バトルシーンはカードゲームを意識した演出がされています。カードゲームやボードゲーム、それに似たコンピューターゲームを遊んだことがあると、駆け引き含め楽しめるかと思います。出ている札と残り枚数から次の予想する思考はクドクドと描写されないので、このあたりの表現は読み手での想像になります。
イラストは全般的に幼いマンガっぽい書き方で、中年社畜とはちょっと合っていないイメージを感じますね。
 
ラストはノベルゼロ定番の急展開+詰め込みすぎで消化不良がちな内容です。本当であれば数巻の物語を経て、この最後の展開に落ち着くのでしょう。残念なことにまず続刊を望めないノベルゼロでは、何度も見た結末となっていました。総じて主人公が「いい人」なので、最後まで楽しく読めました。
 
 
 

同レーベルの感想も読んでみる

ノベルゼロの感想

 

Visited 1 times, 1 visit(s) today

ノベルゼロ

Posted by kyoikyoi