エルフの山田さん(自称) 【ラノベ感想】
エルフの山田さん(自称) 1DKから始める世界樹育成生活
著:長尾隆生
イラスト:冬空実
出版:BKブックス
アマゾンのあらすじより
ある夏の日、ひとり暮らしの高校生・田中くんの部屋に来訪者がやってきた。
それはビジネススーツに身を包み、隣の部屋に引っ越してきた自称エルフの山田さん。
彼は引っ越しの手土産にと、盆栽のような見た目の「ミニ世界樹」を差し出してきた。
自分をエルフといい張る山田をうさんくさく感じながら、その木に「ミユ」と名前を付けて世話を始める田中くんだったが……。
感想
世界樹のお世話をしているうちに自称・ドワーフやら勇者がやってきて、小さなアパートで始まった田中くんのボタニカルライフはやがて世界を巻き込む大騒動へ!?
四畳半一間で完結する物語ならぬ、1DKの中で完結するゆるーい日常系ストーリーです。
タイトルにある山田さんは、イラスト右側のエルフです。彼が主人公(イラスト左側の学生)で山田さんからミニチュア世界樹をプレゼントされて育ててみたら……のドタバタ日常劇です。
ある日突然、宙から女の子が降ってきて部屋に住み着いた的な、漫画にありそうな展開が文字になっています。よく分からないながら世界樹を育てていると、女の子の声が聞こえてきたり、はては童女が現れだしたり、勇者がやってきたりとドンドンカオスな日常になっていきます。
それでも主人公は頑なにすごいCGとかVR、AI予測だとかと目の前の異世界を一切受け入れず日常の延長だと受け取るので繰り返しの笑い的な面白さもあります。まぁ終始、平和で緩い展開です。
気が付いたところとして、ゆるさの一環としてジョークが多用されるのですが、それはネットで流行したミームだったりします。2008年のネットネタが多用されるので私が読んだ2021年時点でも懐かしいの気持ちが強かったです。残念ながらあまりユーモアへは繋がりませんでした。もし元ネタを知らなかったりすれば、もっと違う感想になるんではないかと思います。
平和に育てていく系の物語なので、内政系の作品が好きなら方なら合うかもしれません。webでは書籍版と展開は異なりますが、本編が完結しているのでそちらを読んでみるもありかと思います。
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