伯爵家女中伝【美少女文庫など感想】 天川 風水 ヴァリアントノベルズ

2023年1月10日

伯爵家女中伝
著:天川 風水
イラスト:水口 鷹志、鈴木 健也
出版:ヴァリアントノベルズ
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アマゾンのあらすじより

マルク伯爵家の令息・ウィルは、女中長トリスのすすめで筆下ろしの相手を探すうち、少数民族「銀狼族」の生き残りの娘・ソフィアに出会う。特殊な力を持ち、誇り高い彼女にウィルは強く惹かれるものの、約定によって処女は散らせない。そこで最初の夜の相手としてトリスに白羽の矢が立つが…?伯爵家の令息は、女中たちの身も心も従える屋敷の主人としての第一歩を踏み出した!Web版に大幅加筆+番外編2編収録!

感想

鈴木 健也さんのイラスト目当てで買いました。そうしてみたら大当たりで色々と濃厚な作品で大変に面白かったです。
本作は貴族とメイドもので、帯でも攻略対象は30人以上と煽り文句があるようにハーレムが基本です。しかし、作者の強いこだわりによって凡百のメイドエロとは、一線を画す作品に仕上がっています。まずイギリスヴィクトリア期のメイド文化について、参考文献まであげてガチの描写をしています。パーラーメイド(客間女中)やスカラリーメイド(皿洗い女中)などメイドや使用人は階層ごとにそれぞれいて、攻略対象が豊富に存在します。またヴィクトリア期の暮らしに描写を寄せていて、服装もガチ中のガチです。単語だけ聞いてもピンときませんでしたが、ボンネット、コルセット、パニエ、ドロワーズなど史実通りの本格派です。お手つきのシーンではそれを一枚一枚脱がしたり、重ね着の上からスカートだけめくらせたり、ストッキングは履いたままだったりとエロさにもまた繋がっています。

 

これだけでも凄いのですけれど、それに加えてあらすじにある「銀狼族」の娘との出会いがラノベ的な、読み物としての面白さを生んでいます。主人公と女中長の艶っぽさたっぷりのおねショタ展開と、「銀狼族」の娘を調教していく展開となり、2軸の面白さでストーリーパートの読み応えがあります。女中長の薫陶を受けて主人公が成長していき、メイドたちで実践練習、そして「銀狼族」の娘を従えさせる……といった流れがすんなり頭に入ってきます。

 

エロシーンについても濃厚な描写で、1回のシーンに50ページ以上をさいています。キャラによってはキスや前議だけでいったん終わることもあるので、1人1人の攻略は丁寧に手間暇をかけられています。キャラを魅せて性格の違いまでキチっと把握できてから、情交シーンに入るのでエロいです。ゆっくりねっとり情交シーンが続くので余計にエロいです。
3巻目までにエロしーんがあったのは、6キャラのみというとどれだけ1キャラごとの描写が濃いか分かるかと思います。

 

唯一残念な点は、版権取り下げで4巻目の発売されないことです。幸いノクターンのweb版や電子版の連載は続いていますが、書籍版の展開はお預けとなります……。展開がちょっと異なるノクターンで、もう一度楽しめると思えば良いのかもしれません。

 

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