がんばれ農強聖女 ~聖女の地位と婚約者を奪われた令嬢の農業革命日誌 【ラノベ感想】

2022年12月18日

がんばれ農強聖女 ~聖女の地位と婚約者を奪われた令嬢の農業革命日誌
著:佐々木鏡石
イラスト:匈歌ハトリ
出版:TOブックス

アマゾンのあらすじより

『その慈愛や知識で民を救い、心の拠り所になりなさい』先代の聖女の言葉を守り、必死に知識を磨いてきた次期聖女の令嬢・アリシア。その努力も虚しく、突然双子の妹に立場も婚約者も奪われてしまう。手元に残ったのはぼろぼろの農学書だけ。失意の中、遠い辺境の婚姻話に乗れば、美貌の令息ロランから領地の再建を頼まれて……!? 蜂蜜づくりに幻の薬探し、荒れた農村の立て直しで悪魔のリンゴの売り込みと、我が道を邁進! 奔走する泥まみれの少女の下には、篤農家の村長、元冒険者、隣国の凄腕商人、農民たちが集いはじめる。一方、王国では大飢饉の徴候が出始め――。

愚直に生きる農強令嬢が、圧倒的な農業知識で国を救っていく聖女誕生ファンタジー! 書き下ろし番外編&キャラクター設定集収録!

感想

あらすじとイラストで農業を中心とした内政ものかなって期待して買いました。そうしたら見事その通りで私が、好きな内政もののお話でした。とっても面白かったです。

まず聖女の設定からして秀逸ですね。聖女の大事な仕事は、農民達を飢えから救うことです。そこで炊き出しに回ったり、救荒植物を植えさせたりと知識に基づいたサポートが重要なお仕事になってます。とはいうものの土地に生きる人々は、ガンコなところがあり簡単に今までのやり方を変えてくれます。それで農村を巡って迷信めいた儀式を施すことし、土地を癒やすポーズを示すのも大事なお仕事になっているという世界です。
飢饉に見舞われた村の描写が非常に凄惨で……聖女と農業は重要なんだってのを強く意識させられました。

そしてたとえアリシアが聖女の地位を追われても彼女が、飢饉に苦しんだ村々を巡ったときの姿を人々は覚えていてくれたんですよ。人の縁・繋がりとなってアリシアに返ってくる優しさにも癒やされました。
ロランくんとの愛の育みも良きです。アリシアには幸せになって欲しいですねぇ。

作者がリアル農家ということもあり農業のシーンは、丁寧で専門用語も出てくる本格派です。チートやスキルに頼らず知識と人間の努力と協力でなんとかするって面白いお話です。こういうのを読みたかったんです。
農村の保守的な雰囲気で領主からやれといってもそう一気には変わらないところとか、試すときのお願いしてから月の単位で進むのに時間がかかるところとか、試行錯誤している感じが最高に良いです。

2巻目の感想

2巻目も読みました。妹サイドのお話とかアリシアとロランくんの過去に何があったのかも気になってたんです。この巻では、妹ノエルの魅せ場がきました。ノエルは追放ざまぁをあっさり喰らうようなタマじゃありませんでした。芯が通った悪役とでも言うのでしょうかね、ただ主人公に悪意を振りまく装置じゃなく、ノエルがもつ姉への愛情の裏返しが良かったです。
農強のところは、殺虫剤がでてきたりJAっぽい組合の構想が出てきたり本格派で今回も面白かったです。農業試験場がありなら除草剤・化学肥料もそのうち来るのかな? 続きが楽しみです。
あとアリシアが幸せでFNYったコミカルなシーンも楽しかったです。ガチ目なシーンとコミカルのテンポが良いのも魅力的ですね。

 

 

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Posted by kyoikyoi