かくして少年は迷宮を駆ける【ラノベ感想】
かくして少年は迷宮を駆ける 強欲の迷宮と借金まみれの新米冒険者
著:あかのまに
イラスト:深遊
出版:MFブックス
アマゾンのあらすじより
何も持たない少年は全てをかけて迷宮に挑む――これは冒険の物語!
迷宮大乱立時代。あらゆる経済が迷宮都市を中心に回り、我もまた栄光を掴まんと人々が迷宮踏破に夢を見る世界。
少年ウルは窮地に立たされていた。
一.借金を残して親が他界
二.妹が借金の担保にされる
三.買い戻したいなら金貨一〇〇〇枚
金もない。地位もない。力もない。
理不尽を超えるための何もかもを求め、全てを打開するため、迷宮で出会った魔法使いシズクと共に少年は迷宮へと足を踏み入れる。
迷宮を踏破し、魔物を倒し、賞金首を刈る。
地道にコツコツ実績を――などと言っている暇はない。
嵐のように迫る試練を乗り越え、凡庸な少年は迷宮を駆ける!
感想
熱い!
妹を救おうと少年が迷宮に挑み命をかけるのは、熱いのひとことです。冒険ファンタジーの直球ど真ん中で、ファンタジー好きな私にはたまりません。みなさんも是非読んでみてください。
「金もない。地位もない。力もない。」ないないづくりの主人公ウル。手元にあるオンボロな竜牙槍1本を手に迷宮へ挑み、運命をこじ開けていくのがとても面白いです。理不尽な展開をぶつかってこじ開けていくのって、熱くていいですよね。
またこう書くと竜牙槍が業物だと思うんじゃないかと思います。
たしかに槍と大砲を合わせたキテレツな業物武器で、大型モンスターに対抗できる火力をもちます。穂先は竜を模した形になって、その竜みたいな穂先からビームを吐き出すっていう、火力 is 正義な頭悪いロマン武器なんですよ。
それだけ厄介な武器だってのにオンボロでしてね……ビームは撃てないし槍としても刃までダメときたもんです。
実質は槍といいながら長柄の鈍器です。
そんなオンボロ竜牙槍をもって迷宮に潜るんですよ。ワクワクしてきませんかね?
しかも潜る理由は妹を救うためです。
妹のアカネは「精霊憑き」という特異体質で身を狙われていて、彼女を自由にして取り戻すのがウルの目的です。
そしててっとりばやく大金を稼ぎたいから、無謀を承知でウルは迷宮を駆けるという物語です。
そうなんですよ。だから力がなくたって迷宮にウルは潜るんです。
冒険者ギルドの愛はあるけど非人道的なシゴキにだって耐えます。傷ついたって何度でも立ち上がります。
妹を救いう、ただそのために。主人公の信念がカッコよすぎました。
これだけでもオススメできる面白い作品なところに、一段と面白い要素があります。
それは迷宮内で出会いバディとなるシズクです。彼女の正体はかなり謎に包まれています。
魔術に秀でて後衛役としてもの凄く優秀です。そして美少女!
ボーイ・ミーツガールの冒険ファンタジーですよ。ファンタジーラノベといえば王道のこれですよね!!
しかもシズクは清楚美少女な外見に反して、ウル同様に熱い魂をもっているんです。ウルのバディとして率先して無茶をしてくれるだから、無茶✕無茶で波乱に満ちた冒険を魅せてくれます。
2巻目の感想
ウルとシズクの手に汗握る冒険はそのままに、お話のスケール感がいっきに広がった2巻目でした。
こんな広がりされたら3巻目をすぐに読みたくなってしまいます。
どこまでも真っ直ぐで人情味深いウルは、あいかわらずの主人公属性でした。
困っている人へは手を差し伸べる。無茶は推し通す! 格上の相手へ果敢に立ち向かって撃破するこれですよ、これ。
ウル本人がレンベルアップし、愛用の竜牙槍もパワーアップしたので、1巻目とは戦闘の立ち回りが変化して新鮮に楽しめました。
2巻目の大きな要素はディズの立ち回りです。
これまでは妹を盾に借金返済を迫る立ち位置でしたよね。それが2巻では共闘に変わります。
ネタバレ回避で伏せますけど、えって?おもうぐらいガッツリ共闘します。
彼女の立ち位置がみえて一気に世界が広かった気がします。
そして個人的に面白いと感じたのは、広がった世界での中心はディズです。それと妹のアカネがセットなんですよ。
どっこにもウルの居場所はありません。
まだまだ駆け出しの冒険者にすぎず周囲の誰も気にとめていないんですよ。例外はシズクだけ、まだ実の妹ですら「弱いもんなあ」と認めてくれません。
だからこそ少年が成長して世界の英雄たちと肩を並べて冒険する未来が楽しみになります。
3巻目はシズクが魔法学校にかようそうです。
シズクの方はウルと違って実力者ですし、どうも規格外の魔法能力があります。その上、剣を交えたことがあるロックを仲間として受け入れてしまえたりとメンタルもはっちゃけてます。
これは間違いなく騒動が巻き起こる予感がします。3巻目も楽しみです。
熱くて楽しい作品です。王道の冒険ファンタジーものとして強くオススメします。
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