魔王都市【ラノベ感想】

2024年5月10日

魔王都市 -空白の玉座と七柱の偽王-
著:ロケット商会
イラスト:Ryota-H
出版:ガガガ文庫

  魔王都市

アマゾンのあらすじより

無法都市を裁く、正義と仁義。

人類と魔族の講和の象徴である共存特区『ニルガ・タイド』ーー通称・魔王都市。
七柱の魔族の王が治めるこの街で、一柱の王が殺された。
均衡が崩れ極度の緊張状態に陥る中、事態を重く見た人類連邦司法庁≪不滅工房≫は事件解決のため勇者の娘であるアルサリサ・タイディウスを魔王都市へと派遣する。
彼女が組むことになったのは、なまくらキードと呼ばれる一人の捜査官だった。
法の名の下に正義を執行する、勇者の娘。違法を厭わず仁義を貫く、不良捜査官。
暴力と陰謀が入り乱れる混沌都市で、歪なコンビの常識外れの捜査が始まる。

一方、魔王都市内では各勢力による衝突が激化し、巨大な抗争へと発展していく。
刻限迫る中、アルサリサとキードは黒幕へと辿り着けるのかーー異世界舞台の世界破滅級クライムサスペンス。

感想

ロケット商会さんの新作ファンタジーです。やっぱり面白かったです。
独自設定に面白要素テンコもりでした。それぐらい濃厚なのに、スムーズに読みすすめられてページ数以上の満足感を得られました。設定濃い目なファンタジーを好きな方には、文句なしにオススメします。

 

本作、説明するのが結構大変なんですよ。これはいい、これ好き、な要素が本当に多いんです。例えばでいうと「なまくらキード」と呼ばれる不良捜査官と、法の名の下に正義を執行する「勇者の娘」のバディ要素です。

こんなの定番で面白いですよ。

正反対の2人が組んで互いの長所で補って、逆に短所は学んで成長させていきますからね。しかも性別は男性と女性で異なっていますし。

ニルガ・タイドで起きた犯罪解決に時に真正面から、時に奇策からめ手上等で立ち回る捜査の数々は、飽きることなる非常に面白かったです。

 

そして作品世界の舞台設定も独特です。

人間と魔族がいる世界で、他種族が共存するニルガ・タイドという都市が捜査の場です。
元々は共存共栄の特区だったのが、魔王の死をきっかけに魔族の抗争止まない、混沌な都市と化しています。魔族のマフィアやヤクザが、勢力ごとに実効支配する激ヤバ都市ですね。
でマフィアの庇護下で人類は、生き抜いている世界観です。命は銀貨より軽く、SF的な退廃感やダークさがたまりませんでしたね。

 

最後にキャラです。
これまた凄くて普通なキャラがいなんです。誰もかれも個性的でカッコいいん。

主人公のジードは当然として、魔族の幹部から下っ端まで個性が立ちまくっています。本の数行しか登場しない魔族のあるキャラですら、手打ちのために誰か犠牲になれって組頭からの指示に「私が死にます。」と即答するぐらい覚悟決まっているんです。

信念をもって覚悟したキャラだらけ、熱くて面白いですね。人類の最精鋭チームが見せただろう覚悟なんて、もう感動ものですよ。

「なまくら」なんて呼ばれて普段ヘラヘラしているキードの秘密や、なぜ彼がそう振舞っているのかなどを想像するとより一層、物語に引き付けられてしまいました。

 

2巻目の感想

刑事ドラマをみたいにハラハラな2巻目でした。

魔王として刑事が殉職し、その原因を調査しようとしたアルサリサに下されたのは、はぐれ魔族が犯人に違いなから奴らを検挙しろとの指示。
意に沿わない命令に従っていると、刑事の殉職が続いていき……

 

面白いの一言です。
刑事ものなら現場の以降を無視してトップからの指示に板挟みなり、命令に従うのか住民を尊重するのか葛藤に苦しむシーンは欠かせませんね。勇者の娘として規則を重視するアルサリサならではの悩みでもありますしね。キードだったらお行儀がいい返事だけして、いうことなんて聞かないだろうからあ。

キードと組んでアルサリサの成長といえる一面がカッコよかったです。現場知らずな上司に対しとった行動なんて、1巻目からは想像もつきませんよ。

アルサリサが活躍する一方で、キードの活躍も着々と実を結んでいますね。種族を超えて繋がれるのがキードの魅力なんでしょうね。

しかしこうやってキードたちが魔族の潤滑油として魔王都市がまとまるように、暗躍してまとまっていくほどに人類側からの反発も招き入れそうな気がするんですよね。どうなっていくことやら。

 

本筋に関係しそうなことは、ここでは触れません。とにかく面白い作品なので、濃い目なファンタジーに興味がありましたら是非手に取ってみてください。とてもとてもオススメです。

 

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