境界探偵モンストルム【ラノベ感想】

2023年1月10日

境界探偵モンストルム
著:十文字 青
イラスト:晩杯あきら
出版:KADOKAWA NOVEL 0

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アマゾンのあらすじより

境界――異界、狭間の空間、異種が棲まう場所。
それは、現界――こちら側とは違う場所。

 

探偵・狭間ナルキヤには友がいる。
元警官、教授、ゲーマー、組の若頭、その子分、自称・愛の伝道師、風俗マエストロ、人気高級風俗嬢、インド人ナンパ師、釣り名人、淫魔、半吸血鬼。
総じてクズで、総じて最高なヤツらだ――。

狭間探偵事務所を、ある日一人の客が訪れる。
彼女の依頼は男とともに消えた妹の捜索。いわゆる人捜し。――だが。
新興暴力団や民警による拉致・監禁・暴行。不法移民。人身売買の国際組織。そして――“異種"の痕跡。

「きみの妹さんは人間か?」

事件は“彼ら"に纏わる様相を帯び、物語は加速をはじめる――。

感想

探偵モノというより作者が造った町に生きる人々を観た気分になれるお話です。退廃した町の生活感の描写がキッチリされています。あまり探偵の調査モノっぽさは感じませんでした。半吸血鬼みたいな人外が何故いるかのキッチリとした理由もとくに書かれていなかったりもします。

それでありながら作中の世界は、本当に存在しているかのような存在感があります。テンポが良くスラスラ読めるのが楽しいです。主人公の過去とか色んなモノの説明は、細かくないので人によっては消化不良感が残るか?と感じるかもしれません。そこは狭間探偵事務所の密着取材をTVでみるような感覚で、距離を取って眺めるとより面白くなると思います。

 

2巻になると主要な登場人物は増え、25人もの名前が並びます。普通だと1冊にこれだけ登場するとキャラが渋滞して混乱しがちなところです。それでも自然とキャラが頭に入ってきて読了後に登場人物欄を読むとちゃんと思い出せます。作者の文章力がすごいです。

 

前巻よりも広くなった街を主人公のナルキヤが、歩き回る臨場感があるシーンが再現されます。また伝奇ミステリーと銘打つだけあり、ラノベの文章より密度が濃く読み応えがあります。渋めのイラストも雰囲気によく合います。
巻数を増すごとに登場人物と世界観が深くなっていき面白くなるタイプのように感じました。

 
 
 

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Posted by kyoikyoi