シュレディンガーの猫探し【ラノベ感想】
シュレディンガーの猫探し
著:小林 一星
イラスト:左
出版:ガガガ文庫
アマゾンのあらすじより
探偵嫌いの僕と迷宮落としの魔女
妹にまつわる不思議な現象、「やよいトリップ」。未来視とも思えるその力が原因で巻き込まれたとある事件をきっかけに、訪れた洋館。
洋館の表札には『探偵事務所 ラビリンス』。
そして、古めいた書架に囲まれるように彼女はいたーー。
魔女のような帽子に黒い服。書架に囲まれた空間そのものが一つの芸術作品のように美しい佇まい。
「解かれない謎は神秘と呼ばれる。謎は謎のままーーシュレディンガーの密室さ」
彼女ーー焔螺は、世界を神秘で埋め尽くしたいのだと言った。
「私は決して『探偵』なんかじゃない。神秘を解き明かすなんて無粋な真似はしないよ」
探偵じゃないなら、いったい何なんだ。
問えばふたたび、用意していたように即答だった。
「魔女さ」
まったく、時代錯誤も甚だしいと嘆かずにはいられない。
神秘的で、ミステリアスな一人の魔女に、この日ーー僕は出会った。
感想
現代を舞台としたミステリーで、謎を解明して真実を明かそうとする探偵と、謎は謎のままに神秘を維持しようとする魔女との頭脳戦が題材です。ライトノベルとしては結構複雑な話の組み立てとなっています。万人向けといるよりも、ある程度読み手を選ぶ作品のような気がします。
謎解きミステリー要素が強く、序盤からバンバンと伏線が張られています。最初読んでいるときは、伏線だなんて全く感じさせなかったようなものが、あとになって関係していたのか!と驚くことが多いです。
エピソードが多数詰め込まれていて、ページ数の割に重めです。受賞作だけあって作者の力量が感じられます。
伏線回収が多くなってくる250ページ前後から、急激に面白く感じてかなり作品への印象が変わりました。買われた方は是非最後まで読み進めてみてください。
謎をとく側とそれを妨害する側で、同じ謎をときあって相手を出し抜こうとするお話しは読んだことが無く、新鮮でした。謎解きがテーマなだけにストーリーについて、ここでは触れられないのですが、1巻目は魔女の力まど謎で終わっている内容が多いです。あとがきで時間の構想が発表されているので、今後に向けての布石で顔見せの内容だったのかなと感じました。
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