シュガーダーク【ラノベ感想】

2023年1月10日

シュガーダーク 埋められた闇と少女
著:新井 円侍
イラスト:mebae
出版:角川スニーカー文庫
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アマゾンのあらすじより

えん罪により逮捕された少年ムオルは、強制労役で送り込まれた共同霊園で、自らを墓守と名乗る、美少女メリアと出逢う。死なない怪物“ザ・ダーク”を埋める穴を掘る日々のなかムオルは彼女に惹かれていくが――。

感想

ストーリー性が非常に高いダークファンタジーです。
主人公のムオルが、自称墓掘りのメリアと接する中で増していく淡い濃い心の描写や、変化していく少女メリアの反応をさりげなく自然に描かれています。終始作品の雰囲気はホラーなんですけど、その実は少年少女の恋愛小説です。秀作だと思います。
 
物語の流れもクトゥルフの呼び声を彷彿とさせるホラーっぽく進んでいきます。死なない怪物など人智を越えた存在について、ムオルは触れていきます。徐々に共同霊園で起こっていることが分かり真相にたどり着く流れは、まさにホラーだと思います。ただダークファンタジーとも言われる本作です。純粋なホラーの結末ではなくファンタジー要素も加わっています。恐怖だけでは終わらない展開なので、どうなっていくかは読んでみてください。
 
読んでいる際に一気にくる面白さというよりは、じわじわと積み重なる面白さです。あとがきまで読んで一拍おいてから良い作品だったなぁと感じるタイプです。自然とそう感じるのは、言葉の選び方や表現の仕方が巧みだったからなんじゃないかと思います。古い作品ですけどラノベ好きならおすすめします。
 
 
 
 

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