本嫌いの俺が、図書室の魔女に恋をした【ラノベ感想】
本嫌いの俺が、図書室の魔女に恋をした
著:青季 ふゆ
イラスト:sune
出版:PASH文庫
アマゾンのあらすじより
正反対の二人が
「本」を通じて
心の距離を縮めていく高校デビューを果たし、自他共に認める陽キャとなった清水奏太。
友人との会話のネタになるのはほとんどがスマホから。
開けば面白くて刺激的で、ラクに楽しめるコンテンツが盛りだくさんだ。逆にいえば、情報過多な昨今で、疲れるし時間もかかる、
エンタメ摂取のコスパが圧倒的に悪い読書を好む人たちの気持ちが、
奏太には一ミリも理解出来なかった。高校一年の秋、彼女と出会うまでは──。
感想
「図書室の魔女」って言葉にひかれて読みました。他の方の感想で「解像度が高い」とあって。まさにその通りでした。読書すきな人にとっては、ヒロイン文月の読書熱に共感できそうです。
さてヒロインの文月は、物静かな文学少女で地味っ娘です。陰キャです。
クラスで誰ともかかわらずに、黙々と本を読み続けているような娘ですね。
この文月さんに興味を持った主人公が、読書を通じて彼女のすばらしさに好意を抱いていくと同時に、読書の良さも教えてくれるんです。
そして主人公を文月とは対照的に、読書に興味がないキャラにしているのが面白かったです。読書ってタイパが悪いし楽しくない。読むのは友達と話す話題を得るためって、本を読まない人の気持ちまで見せてくれるのは、おぉと興味深かったです。
私は本をよく読むので文月の気持ちがよーくわかるんですよね。オススメの本なんて聞かれたら、相手の好みからハマりそうな作品を考えて布教したくなりますよ。でもってちゃんと読んでくれた上に、「面白かった」って感想もらえたら好感度急上昇ですよね。文月の思いに共感しまくりです。
あとは主人公の奏太です。
はじめは文月と話したい一心で進められた本を読んでいたのが、だんだんと読書にハマっていく様子は、読書をし始めたころの気持ちを思い出させてくれました。
そして周囲の目を気にして自分ってものが薄かった奏太が、文月といっしょにいたいと自分がしたいことを見つける成長の部分です。甘酸っぱい学園青春ものを感じられてよかったですよ。
その良かった展開に加えてあのラストです。
文月と奏太が交わしたラストの言葉は、特に素晴らしかったです。いやぁあんなの素敵すぎるのズルいわ。
読書好きな方へ特におすすめする作品です。
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