元将軍のアンデッドナイト【ラノベ感想】
元将軍のアンデッドナイト
著:猫子
イラスト:晩杯あきら
出版:ガガガブックス
アマゾンのあらすじより
レギオス王国の大英雄ランベール。常人には扱うこともできぬ、超重量の魔金製鎧と大剣を駆使して戦場を駆け抜け、数々の戦果を上げた超英雄。だが彼は、統一戦争終結間際に、仕えていた主君から叛意を疑われ非業の死を遂げた―。それから二百年。時代が移り変わりすっかりと平和になったレギオス王国にて、彼は偶然アンデッドナイトとして魔物の生を受ける。だが、乱世の大将軍時代の力をそのままに蘇ったランベールには、どうにも現代はイージーすぎるようで…。史上最強級の戦士が繰り広げる、痛快ファンタジー開幕!
感想
ハーレムがない異世界モノとして評判が高かったので読んでみました。
恋愛要素ゼロ、あるのは王女へのあつい忠誠心だけです。無敵に近い主人公のランベールが、救いようのない悪人どもを成敗していく硬派なダークファンタジーです。悪人は徹底して小ずるく卑怯にかかれているので、力を振るい傍若無人であったものが、足下にも及ばない実力差で成敗シーンがスカッする勧善懲悪ものです。
残酷描写はかなり多く、ポッと出の冒険者は描写のために殺害されますし、兵士もあっさり切られます。悪人の残虐さを際立たせるために、民衆の扱いはかなり酷くなっています。拷問シーンなどが苦手な方にはオススメできません。
上記のように1巻目を読んだ時点では、爽快感のある勧善懲悪ものって印象でした。
それが4巻目まで読みんでみたところ……非常に残念なことに展開が、ワンパターンで巻を進めるごとに凡庸になっています。「主人公が強くて、転生先の人たちが弱い」の設定がうまく生かし切れていない気がします。他作品では敵側の努力や背景を掘り下げて、力量差を際立たせる仕掛けをしたり、自陣営のそこまで強くないキャラクターを苦戦させて盛り上げておいて、最終的に圧倒的な力で叩き潰すなど緩急をつけ楽しませてくれます。
それが本作はワンパターンなのです。敵が出て強さを誇示する → 強さを強調する説明する地の文が入る→敵が命乞いをする→成敗される。6-7割の戦闘がこんなパターンです。いきなり出てきて強者かと盛り上げて、登場したその場で切られてしまうのです。続くといくら何でも飽きます。
過去に驚異的すぎて平和を乱すので根絶やしにされた一族や、魔法の使い手が敵というパターンもお決まりになっています。1巻目で現代の英雄を弱く描写しすぎた弊害でしょうか? 過去の技術か召喚獣ぐらいしか主人公と渡り合えなくなっているような気がします。
4巻目まで読み進めると展開が異なり、NPC同士の思惑がからむ争いや、また急に出てきましたね感は否めませんが、それまでに出てきたキャラも再登場し出します。5巻目以降でワンパターンから完全脱却できるかが気になるところです。
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