世界最強の魔女、始めました 【ラノベ感想】

世界最強の魔女、始めました ~私だけ『攻略サイト』を見れる世界で自由に生きます~
著:坂木持丸
イラスト:riritto
出版:SQEXノベル

 

 

アマゾンのあらすじより

役に立たないスキルのはずが神さまの知識(インターネット)でやりたい放題!!
「SSSランクなんて最弱スキルを発現させるとは恥さらしめ!」と実家から追い出された少女ローナ。お金も食べ物も力もなく途方に暮れていたその時、「……攻略うぃき?」彼女だけが持つSSSランクの固有スキル【インターネット】の使い方に気づく。そのスキルの正体はこの世界の『攻略サイト』を見ることができる、とんでもチートスキルだった!!貴重なアイテムを無限に量産!超レア装備もイベントスルーですぐゲット!?スキルのおかげでやりたい放題…!愉快痛快な異世界ファンタジー、はじまります!

感想

1~4巻目までをよんだ感想です。

すごく楽しいコメディです。TVゲームや大規模MMOの経験がある人であれば、ニヤニヤしてしまうようなネタが満載です。

マンガの方も好評みたいでマンガとも相性がいいでしょうね。楽しくて読みやすい作品でした。

 

主人公の特異スキルはインターネット、神さまの知識にアクセスできてしまいました。インターネットで攻略サイトを調べたら世界地図から隠しアイテム、ボスの攻略法まで簡単ゲットです。そんなお手軽無双の系譜ではありますが、よくある作品とは一線を画します。

 

主人公のローナはド天然でボケ倒してくる愉快な子です。無双の中でも無自覚系のやらかしです。
それから我々読者とローナが、攻略サイトを見たときの理解にカルチャーギャップしかないんです。

例えばあらすじに「SSSランクなんて最弱スキル」とあるのは、D → C → B → Aとスキルランクが高くなっていくんだから、Sなんて底辺も底辺でしょ? そんな低いランクがSSSと重なったスキルなんて、最弱でしょって理解なんです。
これは普段Sランクが最高の感覚に慣れていて気づきませんでしたが、いわれてみればSが最高って何故?ってたしかにでしたね。

 

実は本作最大の特徴は、攻略サイトを見ることはできても、ゲームっている概念などの共通理解がなく、壮大な勘違いを巻き起こす愉快さにあると思っています。

すごいんですよ、インターネットで世界のネタバレをみるって一発ネタでまとめないで、ゲームのあるあるを切り取って楽しませてくれるんですよ。

 

本来は謎解きをしなきゃ手に入らないアイテムを攻略サイトをみて、序盤にゲットししちゃうとか、本来は強敵だけどパターン化してハメたら完勝できるとか、ゲームだとあるあるですよね。
それをラノベの中でやってみたら、シャレにならないバランスブレイクが発生しちゃいました。

作中でのパターン化してハメは、かなりシュールなシーンでした。安全地帯から一方的に攻撃できるを演出でみせると、あまりにも様子は理不尽で笑いがこみ上げてきますね。
さすがにダンジョンボスが気の毒でした。

 

作者さんのネタの引き出しが豊富ですごすぎます。

MMOの期間限定イベントやガチャが、ゲーム内のキャラにとってどんな影響を与えるかって、よくそんなとこに気づきますよね。

私がネタの中で特に好きなのだと、ローナがインターネットで自分を調べたら「美味しいもの、楽しいことが好きなごく普通の女の子。」ってあるから、自分は普通の女の子っていいはるシーンです。その検索結果って作品の公式ページを指してのネタですからね。
本当に着眼点がすごいって思います。

 

だれもローナに突っ込みを入れる人もいないし、暴走を実力で止められない。インターネットは神様の知識だと盲信するローナは、次巻ではどんな暴走をやらかすのか、どんなゲームのネタを引っぱってくるのか楽しみです。

 

コメディが好きな方へは、自信をもってオススメします。

 

 

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