エクストラ・フォーリン・エールワイフ【ラノベ感想】
エクストラ・フォーリン・エールワイフ ―異世界の奥さんは日本のビールを学びたい―
著:阿羅本景
イラスト:葉賀ユイ
出版:LINE文庫エッジ
アマゾンのあらすじより
長野義文は叔母の美沙に幼少の頃から恋心を抱いていた。彼女が二年前に病没するまでは――。
その後、義文は美沙の忘れ形見である千沙都の未成年後見人となり、同居生活を送っていた。
そんな折、突然彼らの家に異世界から勇者の妻が転移してくる。
ミサクミラと名乗る彼女は、美沙の生き写しの姿形をしていた。
ミサクミラはエール妻(ビール職人)を生業としており、この世界にやってきたのは、豊穣の女神様から優れたエール造りの技を学んで持ち帰る使命を受けたのだ、と宣言する――。
これはビールが繋ぐ、縁と絆の物語。
感想
こちらが転生するのでなく日本の、しかも風呂場に異世界人がやってくるところから物語がスタートします。本作はテンションの上下が激しい年上美人人妻キャラと下健気の妹キャラとのラブコメに加えて、ほんのりとした異世界観、それにビールへのあふれる愛情で構成されています。
日本から異世界へいったキャラは比較的に受け入れられるケースが多いですが、逆のパターンで異世界から日本へ来るとトラブルはつきものですね。ミサクミラがどうやって受け入れられたかを読んでみてください。本作の雰囲気がよく分かるんじゃないかと思います。
あとビールの話ばかりでなくて、ラブコメ要素もしっかりしてますよ。
ビールのところは現代のビール製造技術を持ち帰るぞ!、ということで色々と触れられます。とはいうもののガチの醸造・発酵管理をやりだすと理系の専門書になってしまうので、入口の紹介ぐらいにとどまっています。むしろ実在するビールの銘柄やバーなどの名称がバンバン載っています。気になったビールを取り寄せたり、実際にお店に行ってみたり…というのの切っ掛けにも良い1冊じゃないかと思います。
東京駅地下街にあるリカーズハセガワなんて壮観の品揃えですよ!
2巻目の感想
ミサクミラは日本でビールの勉強に取り組みです。酒造関係者なら誰もが思うラスボス、酒税法が壁となってミサクミラは日本でビールを造れないんですよね。かといってクラフトビールを飲み歩くと1巻目と同じ。ということでついにビール以外のお酒も口にします。ワイン・第三のビール・チューハイに続けて【飲む福祉】ストロングゼロ系までも……。第三のビールも好意的に書かれているのは、お酒への愛がを感じますね。
酒についてドップリ語りながら2巻目では、千沙都の進路・将来の夢をどうしたいかが中心にストーリーは広がっていきます。自分は本当にこのままビールだらけの将来でいいんだろうか?と悩みます。ミサクミラだけだと脳天気すぎるので、シリアスさを千沙都が出してくれて盛り上がりのメリハリが楽しかったです。
全体にただようゆるい感じの展開は変わらずで読み進めやすいです。異世界の神様も軽いノリで現れて、軽いノリで主人公に呪いをかけてきます。笑いましたけど「石を育てる(ただし体内で)」とか足の親指やくるぶしに、痛い風が吹く呪いはシャレになりませんよ!。
お酒好きならきっとまたビールを飲みたくなるような2巻目でした。
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