少年と竜神【ラノベ感想】
少年と竜神 〜王子と過保護な護衛たち〜
著:黒河あこ
イラスト:ののまろ
出版:GCノベルズ
アマゾンのあらすじより
とある大国の王子として誕生した少年・シリウスが生まれた場所は、なんと卵の中。
出ようと色々試してみても一向に外に出ることは出来ず、そのまま数年が経ってしまう。
そんなある日、竜に姿を変えられる特別な力を持つ「竜人」の青年が二人、シリウスのもとへ訪れてくる。
シリウスが卵の中で手をのばすと、何故か今までびくともしなかった殻が割れ、ようやく外に出られるように。更には二人から「竜人の主」として溺愛されることになって……?
感想
あんまり最近みかけないファンタジーを強く感じる作品で面白かったです。
何よりも竜の少年シリウスと、竜人の常軌を逸した奉仕ぶりが面白かったです。完全に過保護です。
シリウスぐらい中性的な美しさの美少年で、悪意なんて考えたことがない無色透明な純粋さ。それに見返りを求めず、当たり前のように手を差し伸べる優しさ。その上、自分を特別視せず誰とでも対等に自然体でつきあえる謙虚さ。
そして持ち合わせる竜人を超えた神の奇跡ともいえるの圧倒的な能力とカリスマ性。
これだけの魅力を兼ね備えていたら、過保護者が生まれるのは納得ですね。
ではあるんですけどね。
竜人にとっては、神がそのように創ったとしか思えなく魂が繋がっているレベルで過保護者っぷりを発揮してくれるんですよ。
睡眠時間なんていらないから24時間いっしょにいたい。なんなら添い寝もしたい。シリウスを気づける人がいれば、国ごと滅ぼしてやるとか過保護の次元が違いすぎやしませんかね。こまったことに過保護者の竜人も国ですら手を出せない超常能力者だから、誰も止められないんです。
そんな竜人が過保護者っぷりをみせるんですから、面白いんですよ。
あとラノベに過保護者は多くいます。でも同性の過保護者って珍しくないですかね?
本作は少年と騎士なんですよ。
一般的な恋愛感情を抜きにして、同性だから絶対的な奉仕とか忠誠が、私の目には高貴なものに映りました。
ファンタジー的な人知を越えた力で繋がっているような気がするんですよね。
ラストの展開的に2巻目でそこらの理由があきらかになるのかな?
過保護者の楽しさだじゃなく、古き良きファンタジー小説の暖かさや人との交流もあって楽しかったです。シリウスと城下の平民の友情も素晴らしかった。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません