千夜宮ハレムのとりかえ書記姫【ライト文芸感想】
千夜宮ハレムのとりかえ書記姫
著:鳥村 居子
イラスト:成神 じゅん
出版:富士見L文庫
アマゾンのあらすじより
書物を愛する少女・アナスタシアは、千人の女性が囲われるハレム・千夜宮へ奴隷の身として召された。ところが書記官の弟の謀計で、女の身であることを隠し、彼と入れ替わり書記官として働くことになってしまい!?
感想
奴隷の少女が、後宮入りして巻き起こる男女入れ替わりの物語です。
なんといってもイスラム教っぽいハレムを舞台にしているのが目を引きました。スルタンにハレムとオリエンタルな雰囲気は新鮮でした。
後宮ものです。
中華風とか和風の後宮作品を読み慣れている方には、親しみやすい展開だと思います。イスラムの予備知識をあんまり持たない私でも楽しめました。
もうひとつのポイントは、弟との入れ替わりです。主人公のアナスタシアは、弟の代わりに書記官として働くことになります。そしてこの時仕えるのが、表紙の後ろにいるノスマン大公です。
男女入れ替わり作として欠かすことのできない恋愛要素の相方ですね。
定番の入れ替わりだと「男相手に意識するなんて」ってシーンを見かけるんじゃないかと思います。本作でもそういうのは、シッカリとあります。そしてそこにイスラム風の世界観なので「男色もダメじゃないよ」って概念も加わるんです。
それが恋愛要素をこじれさせて実に楽しかったです。
実はノスマン大公は、降伏した被征服民だったりします。だから西洋的な価値観を持っていて男色に抵抗があったんでしょうね。
政治的な立ち回りとか内政ではキレものなのにアナスタシアが、関わってくる恋愛関係となると急にポンコツになるのは面白かったです。
ちなみに主人公は風変わりな鉄人でした。
外国語に堪能で勉強家。弟の代わりに書記官をやってみたら抜群にこなせるぐらい優秀です。正義感もつよくて主人公って感じのキャラです。
その反面、興味があることに向かって暴走する癖もあって、図書館に感激するような変わり者でもありました。
いやぁなんとも目立ちまくるので後宮の毒に主人公が、やられてしまわないかずっと心配しながら読み進めてしまいました。
渋い大宰相のおじさまも口数少ないキレ者って雰囲気たっぷりで良かったですねぇ
オリエンタルな作品に触れたいときに読んでみてはどうでしょうか
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