回帰した悪逆皇女は黒歴史を塗り替える

回帰した悪逆皇女は黒歴史を塗り替える
著:緋色の雨
イラスト:鍋島テツヒロ
出版:KADOKAWAの新文芸

  回帰した悪逆皇女は黒歴史を塗り替える

アマゾンのあらすじより

死に戻りした令嬢が仕掛ける王宮頭脳バトル!

死に戻りした今世では、過去の贖罪と復讐を――。

兄を慕い、悪事に手を染め続けたアリアドネ。
しかし断罪の瞬間、信頼していた兄の裏切りを知る。
後悔を胸に処刑されたアリアドネだが……
目を覚ますとすべての始まりの日に戻っていた!

1度目の人生そのものが黒歴史。
そう気づいたアリアドネは、過去の償いと復讐を誓う。

感想

読んでいて次の展開が気になり続けたやり直しものです。とても面白くて令嬢ものが好きな方へは強くオススメします。

 

主人公はアリアドネは庶子の皇女です。

そして兄である第二皇子ジークベルトのために、悪役令嬢として両手を真っ黒に染めるぐらい悪逆を尽くして献身します。そうやってジークベルトの王位にゴール目前というところで、裏切られて破滅させられた皇女です。
そんな破滅した時点から子供のころへ、記憶を持ったまま巻き戻った人生やりなおしものです。

 

一回目の人生でアリアドネはライバルたちを蹴落とすために脅迫・暗殺なんでもやってました。だから二度目の人生ではその経験を子供の頃から生かせるんですが、1回目の人生とは違った道を歩みます。それは1回目の人生で排除してしまった正しい人や、アリアドネに好意的だった人への恩返しです。これが凄く楽しかったですね。

最初は恩返しのつもりだったアリアドネも正しい人を助けとことで、感謝され愛をむけられます。そして彼女は孤独だったんじゃないんだ、ただ気づいていないし気づこうといなかったんだ、というのを知るんです。やり直しで正解ルートを選ぶだけなじゃなく主人公の成長にも結びついている展開が見事だと思いました。

 

また作品の構成で好きなところとして、1回目の人生での出来事をあえて省いた描写なところがあります。

一般的な作品だと一回目は~~と解説しきってから、やり直し部分を描くのが多い気がするところ、本作は2回目の展開でつき進みます。要所で1回目は○○と触れるだけなので、情報の密度が濃くて没入感が高いんですよ。
事前にこのキャラなら○○、このときなら××って世界観が分かるから成り立つのかと勝手に感じてました。作者さんすごいです。

 

しかも2回目の人生で復讐をすすめるなかで、何故1回目の人生でジークベルドが裏切ったのかも描かれています。復讐の過程も単純で復讐とならないのが楽しいかぎりです。きっと人生が巻き戻った理由も2巻目以降で明らかになるんでしょうね。
ジークベルド皇子とカルラ王妃の親子は手強く、ドロドロとした権力闘争の駆け引きも熱かったです。

 

敵も味方も出てくるキャラが濃くて楽しい。
そんな魅力が多いキャラたちの中で、私はピンク髪ツインテールのアシュリーがお気に入りです。基本的にドロドロとした悪逆シーンがおおいため、時々でてくるアシュリーのシーンが清涼剤みたいに染みます。彼女のカラーイラスト待ってます!

 

 

面白かったです。コミカライズもきまっていて是非続いて欲しい作品です。

 

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