悪女矯正計画【ラノベ感想】

悪女矯正計画
著:あかのまに
イラスト:とよた 瑣織
出版:ブシロードノベル

  悪女矯正計画

アマゾンのあらすじより

俺は未来から来たんだ。不幸になるお前を幸せにするために

「おい、セラフィナ。お前、大人になっても俺を殺したりするなよ」魔法使いアーヴェルは、元婚約者であり、のちに皇帝の愛人となった悪女セラフィナの手にかかり命を落とす。だが気がつくと、目の前には幼い頃のセラフィナが!彼はなんと、13歳のときの自分に戻っていた。目の前にいる悪女になる前のセラフィナを見て、アーヴェルは決意する。この少女を真っ当に育て上げ、自らの命を守ると。そのためにまず、かつてセラフィナと婚約を結んでいたアーヴェルの兄ショウの死を回避する方法を模索しはじめる。しかしセラフィナを冷遇する家族、美しいセラフィナを狙う男たちなど、それぞれの思惑が複雑に絡まり合っていて――。巡る時の中、果たしてアーヴェルはセラフィナを悪女としての運命から救い出すことができるのか…!?

感想

人生やり直しのループものです。

やり直しによって過去の人生では気づけなかった背景や、「もしも○○だったら?」の新ルートの情報を得ながら最善ルートを探っていくのは、ループものの醍醐味ですね。とても面白かったです。

それにくわえてセラフィナ可愛すぎませんか。こんな美少女の表情を曇らせるなんてとんでもない!
家族愛と恋愛が複雑に絡む人間関係もまた面白かったです。心理描写も刺さってくる良さでした。

 

本作の最大の目標は、悪女のセラフィナに命を奪われてしまったアーヴェルが、13歳の頃からのやり直すことでセラフィナの悪女化を避けるよう育成し、破滅を回避することです。

だから積極的にセラフィナにかかわっていくことになります。

 

そしてかかわってみて始めてわかるのが……セラフィナの不遇な人生です。

外見は傾国の美女級でも魔法を使えないため、生家では迫害といっていい冷遇を受けてました。とても真っ直ぐ素直になんて育てない環境なんです。

そこでやり直し時はアーヴェルは積極的に介入して、セラフィナに子どもらしく過ごせる環境と愛を与えてやるんです。セラフィナの閉ざされていた心が開いていって、アーヴェルに甘えた様子を見せていく時々が最高に美しく感じました。
「おにいさま大好き」を全力で感じさせてくれますね。

 

加えて人間関係が兄と妹にの関係にひとひねり加えられていることにより、感情のスレ違いが生まれて葛藤へと繋がっているのも引きつけられました。

実はセラフィナとアーヴェルは義理の兄弟です。お義兄さまなんですよ。
セラフィナの婚約者はアーヴェルの兄ショウで、アーヴェルじゃないんです。この設定のおかげで読んでいて何回うなったことか。

 

なんたってセラフィナからしてみたら地獄のような環境から救いあげて、愛情を幸せを教えてくれたのはアーヴェルなんです。どう考えたって、ショウとアーヴェルのどっちを好きになるか明らかですよね。
けれど婚約者は兄のショウというね……

アーヴェルは最初の人生の関係で考えちゃっているから、セラフィナから思いをぶつけられても婚約者は兄上だし……と逃げやがるんです。だからなんども私はアーヴェルそこに座れと説教したくなるほどでした。

 

そう感じるスレ違いのもどかしさも、ループを経ることで段々と最善ルートに近づいているのを感じられて、セラフィナとアーヴェルの結末が気になって仕方ありませんでした。

 

兄のショウもふくめて3人が幸せになるエンドはどんな形なのか……2巻目どうかお願いします。

 

 

 

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