没落令嬢の悪党賛歌【ラノベ感想】

没落令嬢の悪党賛歌
著:もちもち物質
イラスト:ペペロン
出版:アリアンローズ

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アマゾンのあらすじより

「あいつらも人間だから、殺すと死にますわねぇ」
オーケスタ王国の新興貴族・フォルテシア家長女のヴァイオリアは国家権力への復讐を決意する。
王立学園から帰省すると実家が燃えていたあの日にすべてが変わったからだ。
大好きな家族は安否不明。家は没落し、第七王子暗殺未遂容疑をかけられ、彼女は取り繕うのをやめた。
結果、現在天涯孤独(暫定)の脱獄犯(全国指名手配)である。
そう、大悪党である――。しかしこのヒロイン、転ばされてもタダでは起きない!?
たった一人で仲間を集め、非常に合理的かつ効率的手法で目的達成に向けて進んでいく。
倫理観ぶっ飛びブロークンお嬢様言葉でお送りする最高に爽快&愉快な国家転覆大活劇!!

感想

表紙と帯からくる圧倒的なインパクトが気になり、Xのラノベ読みの方から一推しもあり読みました。
私が読んだ中でトップクラスの悪党主人公でしたね。ダークしかないし主人公は完全に悪党でした。倫理観くそくらえな悪党さ加減は、BLブックス『ジェノサイド・オンライン 極悪令嬢のプレイ日記』の主人公といい勝負できそうです。

うーん私が知っているアリアンローズから出ている作品と大分違う……。

 

主人公のヴァイオリアに暗殺未遂の疑いをかけられて、婚約破棄からのざまぁ展開なフォーマットです。でもヴァイオリアは令嬢の思考じゃありません。
サイコパスな大量殺人者でテロリストです。野に放っちゃいけないタイプの犯罪者でした。
なーにが”ちょっぴり刺激が強いかもしれませんが、れっきとした冒険コメディファンタジーです(担当談)”ですか。帯にこんなコメントまで入れてやってくれましたわ。

完全な倫理観なし、何でもありダークファンタジーじゃありませんか。
楽しかった。
けどアリアンローズから出ている令嬢じゃないと強く思います。

 

まず口絵の主要キャライラストからして皇子や公爵などが並ぶイラストになっているんじゃなくて、酒場とかアジトにたむろしている冒険者たちにしか見えないイラストとなっています。
仲間たちの説明が「戦闘狂」、「闇商人」、「裏通りのチンピラ」ってなってますし、ざまぁをしかける相手のWANTEDって指名手配書類にナイフ刺してたりしますし、主人公一行はマフィアにしか見えないんですよ。

そしてざまぁの達成目標は、王族全員火刑ですからね。
しかも全力で実行しようとしてしまう主人公なんですからね。

主人公が頭目で仲間は、戦闘狂や闇商人たちだから主人公が卑劣な手段をとったって誰も止めないんです。むしろルール無用な残虐ファイトできるのが自分たちの強みだって、知った上でのやりたい放題なんですよ。

 

ところん読者層を選ぶ内容です。倫理観を無視して悪の限りを尽くして目的を果たそうとするダーク主人公物が好きな方じゃないとオススメできません。

あとはゲームのGTAで悪人プレイをして通行人相手に「ひゃっほう」な遊び方をしがちな方もイケるかもしれません。帯と表紙のインパクトは出版社からの読者に対しての警戒色だっただと上巻を読んだ時点で確信しました。

 

じつにヤベー主人公でした。というか主人公のみじゃなくフォルテシア家からして大概でしたね。冒頭はフォルテシア家のお取り潰しなんですけど、王家はしごくまっとうなお仕事をしたんじゃないかと思います。それぐらい主人公サイドは悪に振り切ってました。

 

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