あなたのお城の小人さん【ラノベ感想】

あなたのお城の小人さん 〜御飯下さい、働きますっ〜
著:美袋和仁
イラスト:п猫R
出版:SQEXノベル

  anatanooshiro

アマゾンのあらすじより

やっふぁい♪ 今日も小人さんは元気です!死にそうになるハードモード転生だけど、魔物が味方で、もふもふ可愛くて快進撃!
「……おなか……すいた」あるお城の片隅で小さな子供が衰弱死しかかっていた。飢えて渇いて死ぬ間際、薄れゆく意識の中で眼を覚ましたのは元日本人の相模千尋。……死んでたまるかっ!!彼女は生きるためにひた走る。浮浪児として料理人に拾われたり、蜂蜜を求めて森に突撃したり、病気になってうどんを求めたり。たくさんの愛情を受けて猪突猛進にお城を走り回る彼女に、ついた渾名が小人さん。彼女に染まるフロンティアは、優しい人々の幸せが約束された国でしたーー

感想

表紙の小人さんが可愛くて、「御飯ください、働きますっ」ですからね。可愛い妖精さんとほのぼのストーリーを期待して読んだら、まさかの転生ものでした。主人公がこの小人だとは思わなかった。
想像とは違いましたが、小人さんは可愛いし、お父ちゃんとの仲よしだし、過保護者たくさんで面白かったです。

 

アラサー主人公が異世界転生で可愛い幼女に転生、お父ちゃんやメイドさんたちに愛される日々。そして日本で慣れ親しんだ食を求めて暴走しまくり。けど小人さん可愛いからしょうがないなぁ、というウェブ発の転生ものを読み慣れているならおなじみの展開です。
魔法と魔獣もいて主人公は、絶大な魔力持ちだってのもお馴染みですよね。

 

こう書いちゃうとよくある作品?って思うかもしれません。このお馴染み要素は、本作がもつ半分の要素に過ぎません。
ただの小人さん可愛い可愛いに収まりきらないのが魅力なんですよ。

 

なにしろ冒頭から主人公は生命の危機で、王女だってのに衰弱死寸前です。そこを心優しい宮廷調理人のドラゴに拾われて彼をお父ちゃまとしたあたりから、やっとほのぼの展開になるんです。

そして王女なのに放置される理由もしっかりと厳しめな理由があって、ゆるふわにみえてハードな一面がちょいちょい出てくるのが緩急ついて面白かったです。

 

主人公がいる国だけで魔法を使える世界なんですけど、どうしてそうなのか?
どうして主人公は異世界の文字まで読めたのか?
どうして米に醤油といった日本のものが異世界にあるのか?

こういう疑問に対して魔法・歴史・外交を含めて、きちんと説明がなされています。その説明があってからイベント展開へとはいっていくので、ご都合展開と感じることなく読みやすかったです。

 

あと主人公は強大な魔力持ちで世界の覇者となる資質があります。でも家族を護ること以外だと力には興味なくて、それよりも新しい果物や香辛料などの食への欲望に忠実です。こういうやらかし展開は私好きなですよ。食を中心に飛び出してのやらかしの数々は楽しかった。

それから転生前の主人公はアラサーでしたから、幼女への転生後も大人顔負けの受け答えできちゃうんです。それで小人さんすげーーとか、小人さんだからしょうがないとなるんですが、急に年相応の幼女になるシーンもあるんです。
これは肉体に精神が引っ張られているかと想像していますが、作中ではハッキリと理由を明かされていません。主人公の行動も大人だったり、子どもだったりと緩急ついているのも面白いさにプラスされているように感じます。

 

異世界転生、幼女ともふもふ、過保護者、食環境改善にまっしぐら。このあたりが好きな場合はきっと好みにあうと思います。
2巻目まで読んでいて、2巻目から主人公の暴走がスケールアップします。まさに火がついたネズミ花火のようにやりたい放題でした。

 

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Posted by kyoikyoi